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「対象労働者が少な過ぎる」 |
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シングルマザーらが訴え |
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社会保障と税の一体改革関連法案が審議入りした。そのうちの一つ、パート労働者に厚生年金加入を広げる「年金機能強化」法案について、シングルマザー(単身子育て女性)や法律家団体、労組が、対象者の拡大を求めている。 ▼業界団体が猛反発 現行制度で社会保険加入義務があるのは、おおむね週30時間以上働く労働者。この基準に満たないパートの仕事を複数かけもちしているような場合は対象から外れ、国民年金に加入しなければならない。保険料を労使が折半で負担する厚生年金に対し、国民年金は全額自己負担。不安定な働き方のうえに、比較的高い年金保険料を負担する非正規労働者が、将来、無年金、低年金者になるのを防ごうというのが制度見直しの狙いだ。 厚生労働省の社会保障審議会で昨夏、検討を開始。当初、適用拡大のイメージとして、「週20~30時間の非正規労働者」約400万人と例示していたが、パート従業員の多い流通などの業界団体が猛反発。週20時間以上の勤務要件に、年収(94万円以上)や企業規模要件(501人以上)が加わり、対象者は約45万人にまで絞られた。 週20時間勤務の勤め先に頼んで社会保険に加入した、シングルマザーの高沢亜美さんは大幅な適用拡大を求める。「国民年金加入時と比べ、月額7262円の節約となった。これは2週間分の食費に相当する額。いつもピリピリしていたのが、ちょっとした楽しみがあると思えるようになった」と笑顔で話す。 ▼払いたいと思える制度に 一方、厚生年金被保険者の配偶者で年収130万円未満であれば、保険料を支払わなくても年金を受け取れる「第3号被保険者」の制度が議論を複雑にしている。 家計補助的に働く人にとっては、パートの比較的低い賃金から保険料を納めても、将来の受給額はあまり変わらず、逆に現在の負担感の方が重く感じられるからだ。一口にパート労働者といっても、置かれている環境によって受け止め方は変わる。 第3号被保険者制度は配偶者の年金権確立のために1985年につくられたもの。だが近年、共働きや単身女性など、この制度の恩恵を受けない人々が増えてきた。 都市銀行で32年間パートで働き、厚生年金保険料を払ってきた女性は、納付期間が5年程度の同年代の3号被保険者の知人と、年金受給額がほとんど変わらないという。「払ってよかったと思える制度でないと困る」と声を強める。 ▼すべての適用へ道筋を 日本弁護士連合会は法案について「適用対象者が余りにも少ない」として、中小零細企業への配慮を行いつつ、対象者の大幅な拡大を求めている。 流通関連の国内最大の労組であるUIゼンセン同盟は、すべての労働者への適用を求める立場から、今回の改正では難しくても、付帯決議で近い将来への道筋をつけるよう主張。また、企業が週20時間以上働かせない脱法行為への規制も強調している。 これに対し、同じくパート組合員が多い生協労連は、方向性は妥当としつつも、「給付以上に大きな負担を強いる」と法案には反対の立場だ。第3号被保険者制度を廃止し、全額国庫負担による最低保障年金制度を確立することなどが最低限必要としている。 |
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