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2012年 9月20日

社員を追いつめる退職強要
〈NECの1万人リストラ〉上  

人員削減目標達成の陰で 

 グループ全体で1万人のリストラを進めているNEC(東京都港区)で、対象者を精神的に追いつめる過酷な退職強要が行われている。既に、国内は目標を上回る2393人もの正社員が早期退職に応じた。しかし、その陰で、繰り返し人格を否定され、メンタルヘルス不全に追い込まれるという人権侵害がまかり通っている。

▼会社、労使合意を反故に

 NECは1月、海外のグループ企業で3000人、国内で正社員2000人、派遣や請負など5000人を削減するリストラ計画を発表した。

 非正規は雇い止めを粛々と進め、正社員については、40歳以上で、営業やITサービスなど80余りの部門、約40の関連会社が対象とされた。5月から、グループ企業への異動、グループ外への就職、「特別転進支援施策(早期退職)」を募り、7月末までに削減目標を超過達成している。

 同社は、2011年度の当期損失が1100億円を計上するなか、現状の売り上げでも最低1000億円の営業利益(11年度・734億円)を安定的に確保するためだとして、400億円のコスト削減が必要と説明している。

 日本電気(NEC)労働組合は5月、会社提案の受け入れを決定。その際には、「退職を強要することがないよう既に会社に申し入れている。万が一、そのような事態が組合員から寄せられた場合は、事実確認のうえ、会社に適切な対応を強く求めて行く」と組合員に説明していた。

 しかし、その後、10数回もの「面談」が行われ、社員をメンタル不全に追い込む退職強要が繰り返し行われていたのである。

▼11回もの「面談」

 NEC関連会社で技術職として勤務する40代の男性は、5月下旬から2カ月の間に、11回もの「面談」を受けた。

 面談では初回から早期退職への応募を迫られた。対応したのは職場のゼネラルマネジャー(GM)で、会社の経営が厳しい状況にあり、今の職場での業務の継続が難しいと告げられた。

 「退職強要」は行われないと聞いていた男性は、会社を辞める意思がないことを伝えたうえで、「苦痛なので面談を止めてほしい」と訴えたが、GMは「一般的にいうリストラだ」と告げ、考え直すよう繰り返した。以後の面談は同じ「問答」が続く。一端を紹介する。

 男性「(特別転進支援)施策への申し込みはしません」
 GM「今の職場で仕事をするのは難しい」
 (しばらく沈黙)
 GM「今辞めた方が得だ。次は指名解雇か整理解雇になるかもしれないぞ」
 (再びしばらく沈黙)
 GM「処遇は来月分かる」
 男性「どういう意味ですか?」
 GM「今はわからない。残る覚悟があるのか」
 男性「あります」(こう述べ、今手がけている業務や仕事への熱意を話す)
 GM「なぜ熱意を話すのか。会社にとっては迷惑なんだ!」
 男性「面談のせいで医者(心療内科)に通っています。もうやめてほしい」
 GM「法的には問題ない。施策の内容を理解するまで面談する」

 これは5回目の面談。男性が3~4人も入ると窮屈な窓のない密室で、通気口を鉄板でふさぎ音が外にもれないようにする徹底ぶりだったという。

 男性の業務も、所属する会社もなくなるわけではなく、仕事ぶりについての言及もない。ただ、「40歳以上」の対象者というだけで、繰り返し退職を迫っているに過ぎない。その後、強い不安や不眠が続き、治療中であるとの医師の診断書を見せても、面談はやまなかった。

 また、GMが5回目の面談でほのめかした「新たな処遇」については、11回目の面談で別の上司が言及している。内容は「『厳しい業績管理』を行う新たな営業部署の新設と、「グループ外企業への出向」というもの。どちらにしても厳しい選択であることは間違いない。詳細は近く明らかになる見通しだという。

 男性は面談を受けているさなか、個人加盟の電機・情報ユニオンに加入。会社に対し、パワーハラスメント(地位を利用した人格侵害)について安全衛生法違反を指摘するとともに、退職を強要したことへの謝罪を求めている。(つづく)

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