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2012年12月 3日

定年再雇用の拒否は「違法」
津田電気計器事件で最高裁が初判断  

雇用継続の期待権認める

 電車の電子制御機器メーカー・津田電気計器(大阪府箕面市)の元嘱託社員の岡田茂さん(64)が定年後、同社に再雇用を拒否されたのは不当だとして、地位確認を求めていた裁判で、最高裁第1小法廷は11月29日、判決を出した。山浦善樹裁判長は、岡田さんには継続雇用を期待する合理的理由があるとして雇用関係を認めた大阪高裁判決を維持し、会社側の上告を棄却した。定年再雇用をめぐる最高裁の判断は初めて。

 岡田さんを支援する全日本金属情報機器労働組合(JMIU)によると、同社の定年は60歳だが、定年後の1年間は嘱託社員として無条件に雇用継続する労働協約がある。再雇用するかどうかが問題になるのは61歳以降で、会社は06年3月、在職中の勤務成績を基準に再雇用者を選別する継続雇用制度を導入。09年1月に岡田さんが基準を満たしていないとして、再雇用を拒否した。

 岡田さんは長年、組合活動に携わっており、会社側が組合活動を嫌悪して不当に低く評価されたとして09年3月に大阪地裁に提訴。これに対し会社側は「(岡田さんに対する)評価に問題はない」などと主張していたが、大阪地裁・高裁はいずれも岡田さんの主張を認め、雇用継続と賃金の支払いを命じていた。

▼「安易な雇用拒否やめて」

 判決は、岡田さんが同社の選別基準を満たしていることを認め、「雇用が継続されると期待する合理的な理由があった」と指摘。正社員の解雇と同じ基準を当てはめる「解雇法理の類推適用」を行ったうえで、再雇用の拒否は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められない」として、岡田さんと会社の間に雇用が存続していると判断した。

 岡田さんは「判決は再雇用を求める労働者への励ましになる。安易な再雇用拒否がなくなるよう願う」と話した。JMIU津田電気計器支部は組合員3人全員が再雇用を拒否され、職場復帰を求めている。一方、会社側は「話すことはない」とコメントした。

 来年4月から改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業は65歳を上限に希望者全員を雇用確保することが義務付けられる。しかし、既に選別基準のある継続雇用制度を設けている企業は2025年までその仕組みを温存できる。今回の判決は企業が恣意(しい)的な理由で再雇用を拒否することは許されないと示したもので、制度悪用の歯止めになることが期待される。

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