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2012年11月30日

「賃下げは違法」と集団提訴
国立高専・国立大教職員ら258人  

全大教は団交権侵害も追及

 独立行政法人「国立高等専門学校機構」など3法人の職員258人が11月27日、今年6~7月から一方的に大幅な賃金カットをされたのは違法だとして、引き下げ前との差額分の合計約989万円の支払いを求めて、東京地裁など3つの裁判所に一斉提訴した。賃下げは、特例法に基づいて4月から行われている国家公務員の給与削減に伴うもの。高専・国立大学職員でつくる「全国大学高専教職員組合」(全大教)は団結権・団体交渉権を侵害されたとして、220万円の損害賠償も求めている。

 原告は、全国24校の国立高専学校248人、素粒子研究などを行う高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)6人、福岡教育大学4人の教職員計258人。

▼団交3回で打ち切り

 訴状などによると、東日本大震災の復興財源を理由に国家公務員の給与を2年間平均7・8%引き下げる特例法が今年2月に国会で成立後、政府は独立行政法人や各国立大学などに対し運営交付金の削減を示唆したうえで、同様の措置を要請した。これを受けて3法人は労働組合の同意を得ないまま、一方的に就業規則の不利益変更を行い、6~7月に賃金を同様にカットした。全大教は団体交渉で高専機構側に見直しを求めたが、十分な説明もないまま交渉は3回で打ち切られ、賃下げを強行された。

▼「賃下げの必要性ない」

 高専機構や国立大学、高エネ研の教職員は独立法人化後、国家公務員ではなくなったため本来、特例法の対象外だ。賃金は民間と同じ労使の交渉によって決まるが、国からの交付金によって運営されているため事実上、国家公務員に準じる仕組みになっている。

 全大教の中嶋哲彦委員長は「労働契約法に基づいて個別に給与の改定を行う必要があるのに、一方的に就業規則が改定された。何ら回避努力も行われず、このまま切り下げられるのは納得がいかない」と語り、一方的な不利益変更を禁止した労契法違反に当たるとして、賃下げ分と団交権などの侵害に関する損害賠償の支払いを求めている。

 使用者が就業規則を不利益変更するには判例上、「高度な必要性」が問われる。組合側の笹山尚人弁護士は「震災復興は口実で、どの法人も交付金を削減されておらず、高度な必要性はない」と指摘。そのうえで「最大10%削減された職員もいる。懲戒処分でも許されない下げ幅で非常に違法性は高い」と述べた。

 全大教によると、9月までに63国立大学の全ての法人で賃下げが実施されており、約8割が組合の同意を得ていないという。第2陣として傘下の7組合が提訴の準備を進めている。

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