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2012年 1月18日

新たに2市で成立―公契約条例
多摩市と相模原市

委託業務は生活保護費(時間額895円)の水準 

 自治体が発注する委託業務や公共工事で働く人の賃金を底支え・底上げする「公契約条例」が昨年12月、東京都多摩市と神奈川県相模原市で相次いで成立した。両市とも、市長が条例制定を公約に掲げて当選・再選し、成立にこぎ着けた。

▼継続雇用を義務付け

 昨年12月21日、東京都多摩市で公契約条例が誕生した。東京では初めて。

 阿部裕行市長は一昨年、条例制定を公約に掲げて初当選。昨年8~10月の間に、労働者、事業者の代表、学識経験者の3者による審議会を5回開き、12月議会に条例案を提出。全会一致で成立した。

 対象となるのは、工事が予定価格5000万円以上で、委託業務は1000万円以上。同市契約課によると、全体の半数以上が適用される金額に設定したという。手間請け職人や、派遣労働者、下請けは最末端まで適用される。

 公労使でつくる「多摩市公契約審議会」で報酬の下限額を決めるほか、施行状況の検証も行う。工事は、都道府県別に職種ごとに定める公共工事設計労務単価の9割を、委託業務は生活保護費(時間額895円)の水準を提案する予定だ。

 新規受注業者には、入札漏れで職場を失う人のうち希望者を「特段の事情がない限り雇用するよう努める」と定めた。連合三多摩ブロック地協の坪川正事務局長は「よほどのことがない限り雇わなければならないということ。労働者が雇用継続を要求する根拠となる」と効能を語る。

 さらに、労働基準法、労働組合法、男女雇用機会均等法、労働契約法、パート労働法を順守すべき法令として列挙した。

 坪川事務局長は「一歩前進。賃金の下限をもう少し引き上げたかったが、制度をつくることを重視した。東京の自治体に広がれば」と期待を込める。

▼入札改革と「両輪」で
  
 12月22日には相模原市で制定された。政令市で2例目。三つどもえとなった昨春の市長選挙で、加山俊夫市長が条例制定を公約に掲げ、再選を果たしていた。

 神奈川では近年、疲へいする地元建設業の立て直しを図ろうと、産業労使がともに入札制度改革に取り組んできた。そのため、賃金面での縛りに抵抗感を持つ建設業者でも「表立っては反対できないという状況が醸成されている」と、神奈川県建設労働組合連合会の渡部三郎書記長は指摘する。同市の建設労組が行ったリフォーム助成制度創設を求める取り組み(同市では昨年4月に導入)も条例制定への機運を高めた。

 市当局が関係業界への説得を重ね、12月議会で、財政規律を重視する「みんなの党」系の議員2人を除く賛成多数で成立した。

 渡部書記長は「まずはつくることが先決。条例は社会資本の質の向上、地域経済の振興の立場を明らかにしている。基本的には大いに評価したい」と話す。併せて、落札価格の下限となる「最低制限価格」を、予定価格の90~100%とするなどの入札改革と、公契約条例を「車の両輪」として取り組むことが重要だと強調している。

 条例は3億円以上の公共工事、1000万円以上の委託業務を対象とし、川崎市(設計労務単価の9割、生活保護費)を参考に賃金の下限を定める予定。 

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