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2012年 8月31日

雇い止め防止は不十分
改正労働契約法公布  

職場でルールづくりを 

 有期労働契約の乱用を規制し、不合理な格差を禁じる改正労働契約法が8月、公布されました。「妥協の産物」で使用者に甘い規制ですが、労使の話し合いでよりよい職場ルールに仕上げるステップとしたいものです。

                                      


 改正法の柱は3つ。(1)施行日以後を起点に、同じ企業との契約期間が通算で5年を超える場合、本人の申し込みに応じて無期契約に転換させる規定の新設(転換申し込み権)(2)有期契約を理由とする不合理な格差の禁止(3)契約を長期間更新したり、労働者が雇用継続を期待して当然とみられる場合は、雇い止めが認められない「判例法理(過去の裁判例でできたルール)」の法律化――です。(3)は既に実施、(1)と(2)は公布後1年以内に施行されます。

 無期契約への転換規制は重要な一歩ですが、規制逃れが心配です。

 こうした懸念から、厚生労働省の通達は、転換申し込み権が発生する直前に契約を「派遣」「請負」に切り替えたり、契約更新時に将来の転換申し込み権の放棄を表明させることは「無効」だと明示。契約更新の上限を「4年」などと一方的に設定しても、雇用継続を期待させたり、契約を何度も反復更新した場合の雇い止めは認められないと述べています。
 
▼雇い止め広がる恐れ 

 それでも、無期契約への転換を逃れるための直前の雇い止めに対しては、明確な歯止めはありません。原則6カ月間の「クーリング期間(雇わない期間)」をはさめば、再び同じ人を働かせられる規定も盛り込まれました。

 残念ながら、改正法は使用者に甘い仕組みです。職場の労組には、不合理な雇い止めに対するチェックだけでなく、改正法の水準を超える社内ルールづくりが求められます。

▼労組がしっかり声あげて 

 無期契約転換後は同じ労働条件としなければならないことも明記されました。ただし、就業規則や労働協約など「別段の定め」のある場合は例外です。これは転換後の職責の拡大に応じた労働条件の改善を想定したもの。労組が処遇改善を求める踏み台となる規定です。

 有期契約を理由とする不合理な格差も禁止に。違反すれば無期契約の人と同じ労働条件とみなされます。

 不合理な格差かどうかは、職務内容のほか、責任の度合いや人事運用など総合的に判断します。ただ漫然と「契約社員だから」と賃金を低くしている職場は改善が必要です。

■見直しは8年後

 今回の改正では、有期労働契約を原則禁止し、例外だけを認める「入口規制」は見送られました。そのため、有期契約を大幅に制限することは、望めない内容となっています。

 法の見直し作業は施行から8年後です。「就職氷河期世代」とされる2005年に高校を卒業した人は今年25歳で、見直し作業の開始時は33~34歳。その結果、仮により規制を強める法改正ができたとしても、既に40歳近くになっています。
 不安定雇用の放置は日本社会にとって多大な損失を招くということを忘れてはなりません。

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