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組合つぶしで楽団員2人解雇 |
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楽団存続への悪影響も懸念 |
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プロ・オーケストラ「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」(神奈フィル)で、コントラバス奏者の男性2人が4月に不当解雇されたとして、県公務公共一般・神奈フィル分会が解雇撤回を求めている。2人は昨年の労使交渉ルールをめぐる県労働委員会あっせんの際に中心となった人物だ。解雇予告もない乱暴なやり方に労組は「組合つぶしだ」と反発を強めている。 ▼解雇理由に根拠なし 「理事会の一方的な言い分だけが書かれ、解雇理由はずさんなものだ」。こう憤るのは、神奈川県職労連(県公務公共一般の上部団体)の杉田書記長。 4月11日付で2人の自宅に突然送られた解雇通知書によると、「演奏技術が低い」「態度が悪い」などの就業規則違反が解雇の理由だ。一人は文化庁が2009年に依頼した沖縄公演で発生したトラブルで「同庁との信頼関係を失った」ことも理由に挙げられていた。ところが、「文化庁からの仕事は減るどころか増えている。演奏技術や態度が悪いという話もこれまで指摘された事実はなく、何の根拠もない」と杉田書記長は語る。 解雇通知の翌日から楽団は2人の就業を拒否。その後、楽器を触れることもできない状況が続いている。 ▼モノ言う組合排除へ 「解雇の背景に組合つぶしがある」と見るのは、組合分会長。神奈フィルでは財政難で楽団員の賃金は3割カット、期末手当は08年を最後に支給されなくなった。こうしたなか、労働条件や運営の改善を求めて09年に公然化したのが同分会。2人は労使交渉ルールをめぐる県労委あっせんの際、交渉に当たったメンバーだ。「理事会は対立する組合の弱体化を狙っている」(分会長)。これまで多数派を占める他労組と比べて交渉回数に差があったり、分会には通告だけで済ませたりすることもあったという。 神奈フィルは現在、来年11月末までに公益法人移行の条件となる債務超過を解消するため、5億円の寄付を募っているが、約6000万円しか集まっておらず、危機的状況だ。只野さんは「苦しい中でも良い演奏をしたいというのは理事会も同じはず。県民に寄付を募る一方、乱暴な解雇はマイナスイメージを広げることになる」と懸念する。 ▼理事会、解雇撤回を拒否 理事会側は、5月11日に開かれた団体交渉で「解雇はあくまで個人として処分したものだ」と組合つぶしを否定。解雇の撤回を拒否したという。これに対し組合は県労委への救済申し立てや神奈フィル「応援団長」を務める県知事への要請なども検討し、早期解決を図りたい考えだ。 |
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