トラックやバスの販売・修理を行う東京日野自動車岩槻営業所（埼玉県さいたま市）で働いていた島村昌良さん（享年47歳）の自殺について、埼玉労働局は、業務との因果関係があるとして、労災だと認めた。遺族らが６月１日、明らかにした。 　認定は５月10日付。遺族らによると、島村さんは03年の「排気ガス規制」に伴うトラック特需で長時間残業を行い、翌年ごろにうつ病を発症した。通院しながら働いていたが、04年の会社合併後、支店長からパワハラを受けて病状が悪化。09年６月末に栃木県内の空き地で自殺しているのが発見された。 　遺族は春日部労基署に労災保険の給付を申請したが、タイムカードが定時（午後５時半）退社だったことなどを理由に業務との因果関係を否定されたため、再審査を申し立てていた。 　埼玉労働局は、会社関係者の証言から島村さんが亡くなる直近６カ月の残業時間が40～１１２時間だったことや、業務負担の大きさを指摘し、自殺と業務との因果関係を認定した。一方、パワハラの事実は認めなかった。 　再審査で判断が覆るのは珍しいという。 　妻の英子さんは「ようやく一つの山を越えた。会社には怒りを感じる」と話した。損害賠償を求める裁判も検討している。会社は「担当者が不在でコメントできない」と話している。
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