京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理 大学の法人化



2012年 3月25日

「希代の不当労働行為だ」
橋下・大阪市長の組合攻撃

東京でも危機感広がる 

 大阪市の橋下徹市長による労働組合攻撃に東京の労組関係者が警戒を強めている。公務員バッシングとセットで団結権を侵害するやり方に「大阪だけの問題ではない」と懸念が広がっている。

▼悪乗りする経営者も

 「日本の労働史上、希代の不当労働行為だ」──。

 2月中旬に行われた市職員への政治・組合活動に関するアンケート調査の問題で、日本労働弁護団の宮里邦雄会長はこう非難する。調査は市長の業務命令で「組合活動の参加の有無」「組合費の使途」などについて回答を求めたもの。「あまりにもあからさまな不当な介入にあぜんとした」と眉をひそめる。

 この調査をめぐっては、日弁連など法曹団体から「思想・良心の自由を侵害する」と抗議が殺到。府労働委員会も「(組合活動への)支配介入のおそれがある」として異例の調査凍結を勧告し、市の特別顧問は廃棄を示唆したものの、市長は「問題ない」と開き直った。

 公権力による組合つぶしに大阪以外の労組は危機感を強める。中堅・中小の金属労組でつくるJAMの早川行雄副書記長は「大阪府内の傘下組合に対し『就業時間内の団体交渉をやめる』と大阪市に悪乗りする経営者が出ている」と指摘。「反撃しなければ(組合は)座して死を待つだけ。ファシズムは芽のうちに摘まなければならない」と警鐘を鳴らす。

▼便宜供与はほぼ廃止へ
 
 大阪の組合攻撃は激しさを増している。市労連の田中浩二書記長は「市長に真偽も分からない報告が行われ、調査チームが各職場に突撃して資料を押収している。『組合の資料はどこだ』と問いただされた」と生々しい実態を語る。

 さらに「労使関係をリセットする」として便宜供与の見直しが相次いでおり、市本庁舎に組合事務所を置く5組合が4月以降の使用許可を取り消された。現業系労組に認められていた給与から組合費を天引きする「チェック・オフ」廃止が通告され、休職専従の見直しや労組への会議室の貸し出し禁止の話も出ている。

 3月21日に都内で開かれた集会には、100人近くの労組関係者が参加し、大阪の実態報告に耳を傾けた。公務員と民間の対立をあおる大阪の「劇場型政治」を突破しようと、呼びかけられた。

府職労ニュースインデックスへ