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2012年 7月12日

「労使関係条例案は憲法違反」
労働法学者の西谷敏氏が批判 

大阪市の労組弱体化が狙い 

 大阪市議会が7月6日始まり、市は労働組合との団体交渉や意見交換を大幅に制限する「労使関係に関する条例案」を提出した。この問題で、大阪市立大学名誉教授で労働法学者の西谷敏氏は同日、都内で開かれた講演で、「条例案は団体交渉を形骸化させるものであり、団結権を保障した憲法に違反する」と述べた。

 条例案は、「適正かつ健全な労使関係」の確保を目的に掲げている。団交事項を「給料や勤務時間」「懲戒処分や昇任などの基準」「労働安全衛生」など6点に絞り、職員の定数や配置、懲戒・分限処分、採用、退職などを、団交応諾義務のない「管理運営事項」と規定し、交渉だけでなく労使の意見交換も禁止する。違反した場合は懲戒処分の対象となる。 

 交渉は報道機関に公開し、労組への事務所貸与やチェックオフ(給与からの組合費分控除)などの便宜供与は行わないと明記。可決されれば8月から施行される予定だ。

▼対等な労使関係崩れる

 西谷氏は、使用者側が「管理運営事項」と主張する事項であっても、「幅広く職員の労働条件が関わる部分がある」と指摘。そうした部分についての団交まで条例案が禁止しようとしていることに触れて、「これを(対等な)労使関係と言えるのか怪しい」と疑問を投げかけた。マスコミへの団交の全面公開についても、「言いたいことが全て言えなくなる。団交を形骸化させることになる」と懸念した。

 そのうえで、条例案の狙いは「労組を徹底的に弱体化させ、つぶすための一元的な指揮・命令権の強化だ。どうやら労組は腹をくくるしかない」と警告。「橋下市長は、公務員にも認められている憲法28条の団交権を否定しようとしている。公務員を憲法15条2項で定められた『全体の奉仕者』ではなく、市長の奉仕者にするもの。条例案は明らかな憲法違反だ」と切り捨てた。

 講演は、全労連や大阪労連など4組合が主催した。

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