京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理 大学の法人化



2012年10月18日

「激安ツアーバスに気を付けて」
自交総連の部会が警告  

スキーシーズン控えて 

 スキーシーズンの到来を前に「高速ツアーバスを使った激安ツアーは命の安売りにつながる」と、バス運転手の労組でつくる自交総連大阪地連バス部会が警告している。関越道のバス事故後、夜間運行での交代運転手の配置基準が強化されたものの、運転手の疲労対策が不十分なためだ。

▼「命の安売りだ」

 「関越道事故後も安全基準は事実上、何も変わっていない」。こう語るのは、同部会の山本雅広事務局長。観光バスの運転手として10年働き、旅行会社の委託でツアーの運転も行う。「夜間運行は、例外なく交代運転を義務付けるべきだ」と訴える。

 4月に発生した関越道の高速ツアーバス事故では乗客ら46人が死傷。格安運賃を売りにした夜行バスで、交代要員がいないワンマン運転だった。事故原因について運転手は「居眠りをしていた」と供述した。事故後の7月、国土交通省は高速ツアーバスの夜間運行で(1)利用客を乗せる「実車距離」が原則400キロ(2)運転手の乗務が10時間──を超える場合は交代運転手を配置するよう定めた。

 しかし、この新基準に山本事務局長は「定時運行を守るため、十分な休憩がとれない夜間運行は肉体的にも精神的にも負担が重い。天候条件や渋滞も考慮されていない」と指摘。「400キロには乗車区間までの配車距離が入っていない。実際の運転距離が400キロを超える場合でも夜間のワンマン運転が認められる」と警鐘を鳴らす。

 業界では約9割のバス会社が自主的に交替運転を行っているが、新規参入した中小会社はワンマンを続けているという。国交省は規制が厳しい路線バスとの一本化をめざすが、価格重視の構造は残されたままだ。

府職労ニュースインデックスへ