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2012年 4月3日

6・5%賃上げへ大規模スト
ドイツの公務員労組 

6・3%賃上げで合意 

公務員労働者の6・5%賃上げを要求して警告ストを行っていたドイツの労働組合「ヴェルディ」(統一サービス産業労働組合)が3月30日、交渉レベルで合意に達した。今後1年半の間に6・3%の賃上げを行うという内容だ。職業訓練生の正社員化(無期限雇用)で前進したことも大きな成果だとしている。

 賃金は、2012年3月にさかのぼって3・5%、来年1月から1・4%、さらに来年8月から1・4%引き上げられる。

 このほか、職業訓練生が資格試験に合格すれば、事実上、全員を無期限雇用に移行させることでも合意した。ヴェルディは「青年向けの大きな成果」と評価している。

 今回の合意内容は、批准手続きを経て正式調印となる予定。

 公務員の賃金や労働条件が労働協約で規定されるドイツで、6・5%賃上げなどの統一要求実現をめざす二つの公務員労組が3・3%の第1次回答を拒否し、大規模な警告ストを背景に闘争を続けていた。

▼第2波警告スト実行

 官民の労働者でつくるヴェルディ(統一サービス産業労働組合、207万人)は第3回交渉を翌日に控えた3月27日、第2波警告ストを実行した。大規模空港を中心とした今回の警告ストはベルリンからミュンヘンまで全国の主要空港で、早朝から、最大8時間のストとして実行された。 

 特にフランクフルト空港に大きな影響を与え、全便1300便のうち550便が欠航した。

 この日、多くの都市では、公営交通、清掃・ごみ処理、保育所、病院、劇場など公的機関各部門のヴェルディ組合員と、団交権をヴェルディに委託している教育・学術労組(GEW)組合員も警告ストを展開。全国では計約21万5000人が参加した。

 フランクフルトでは、税関検査職員が午前5時から午後2時半まで警告ストに入ったのを始めとして、行政部門職員、技術職員、および荷物検査、警備、空港バス運行の担当労働者など約2000人がスト実行の呼びかけに応えた。

▼大幅賃上げへ統一団交

 ナショナルセンター、ドイツ労働総同盟(DGB)傘下のヴェルディと、DGB非加盟の公務員組合DBB(126万人)は、統一要求を掲げて3月1日から使用者側(内務大臣と地方自治体使用者団体連盟代表など)との統一労働協約交渉に臨んでいる。 

 今回交渉している協約は国家(連邦)公務員とコムーネ(州を除く地方自治体)公務員約200万人に適用される労働協約で、ヴェルディの協約委員会は以下の主要項目を要求している。

(1)公平な所得改善 賃上げ(一般労働者)6・5%、ただし最低月額200ユーロ引き上げ。介護・看護分野の労働者は7・9%の賃上げ

(2)青年労働者である職業訓練生の手当 月額100ユーロ引き上げ、および、職業訓練生全員の訓練内容(職業資格)に見合った国家公務員職への正規採用

(3)空港での高度な職務内容と負担への特別手当 月額90ユーロ
 ヴェルディは協約闘争への理解と支持を世論に訴えるために全国トラック・キャンペーンを開始。最初の開催地ニュルンベルク(2月10日、市内2カ所)を皮切りに2カ月間に30都市を巡回する。大型トラックのボディーにスローガン「私たちはそれだけの価値がある」を大書きした大看板を装備して、数千人規模のものから、小規模のものまで、創意ある集会を展開している。DBBも2月17日から10大都市を巡る宣伝トラック・ツアーを始めた。

 ヴェルディは組合員向けのパンフレット『ストにおける君の権利』(全10頁)を配布して、警告ストを含むスト権が基本法(憲法)で保障されていること、スト中に派遣労働者を代替配置することは禁じられていることなどを分かりやすく解説している。

 使用者側は3月12、13日、2年で3・3%引き上げ(12年5月から2・1%、13年3月から1・2%)を回答したが、物価上昇分などを差し引くと実質ゼロとなるもので組合側は受諾を拒否。3月28~29日、ポツダムで行なわれた第3回交渉でも前進はみられなかった。ビーアスケ・ヴェルディ委員長は「使用者側が態度を変えなければ、協約闘争はスト権投票、そして本格ストに入らざるをえない」と強調し、改めて要求貫徹への決意と姿勢を表明している。

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