連合が春闘最大のヤマ場に設定した３月14日、この日までにＪＣ（金属労協）の組合を含む71組合が回答を引き出し、連合本部に設置したホワイトボードに金額や交渉結果が書き込まれた。連合によると、集計可能な16組合の平均は５３０７円。８組合がベアや賃金改善分（平均額は１１８８円）を獲得した。 ▼賃金減額の別途協議も 　ベア・改善分を引き出したのは、有志共闘として前日公表した３組合を除き、敷島製パン６０９円、南九州畜産36円、味の素冷凍食品１０００円（すべてフード連合）、ライフ１８０６円（サービス・流通連合）、コマツユニオン６００円（ＪＡＭ）。労使で検討の場を設けるとした組合も数組合あった。 　一方、ＪＣはすべての組合が賃金構造維持分を確保した。ただ、ＮＥＣは４月から定昇を行いつつ９カ月間の賃金４％減額を15日の協議で組合側に提案。シャープも賃金に関する緊急対策の協議を組合側に申し入れた。 　基幹労連の造船・総合重工の労組は「２年で３０００円」の改善を要求していたが、造船各社は数年先の受注見通しが立たず、各社横並びで「今次交渉では回答できない（応じられない）」とした。 　一時金はトヨタが年間１７８万円（年５・０カ月＋３万円）、日産が１９６万４０００円（５・３カ月）で昨年を割り込んだ。ばらつきはあるが、総じて前年をやや下回っている。 回答はほぼ前年並み／春闘共闘 　全労連などでつくる国民春闘共闘は３月15日、第１回賃上げ集計を発表した。登録８０１組合のうち、回答を引き出したのは１２９組合。単純平均は５０７３円で、前年を88円下回っている。加重平均では前年をやや上回っており、春闘共闘は「ほぼ前年並み」と分析している。 　日本医労連は90単組が回答を引き出した。うち、７単組がベアを獲得（平均額３１５円）している。 　定期昇給込みで１万円を超えたのは、出版労連やＪＭＩＵを中心に８単組。 内部留保を還元しろ／「ゼロ回答」に通信労組がスト 　ＮＴＴグループの労働者でつくる通信労組は３月15日、「ゼロ回答」に抗議して同日始業時から午前10時までストライキを行った。全国にある１１５事業所の３５２人が参加した。 　東京の持ち株会社前で開いた「スト総決起集会」。宇佐美俊一委員長は「９兆円以上の内部留保をため込みながら、従業員には10年以上も賃上げゼロ回答。株主への増配や役員報酬引き上げばかりでいいのか」と、会社を批判。応援に駆けつけた全労連の小田川義和事務局長も「内部留保があるなら、利用者の料金引き下げや災害時の通信設備拡充に回すべきだ」と訴えた。 　ＪＭＩＵの生熊茂実委員長も「ＮＴＴの３次、４次下請け企業にわれわれの組合があるが、残業代が支払われていない。内部留保は一体何のためにあるのか」と訴えた。
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