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「コリアン世界の旅」

野村進著（講談社文庫)

日本に約60万人が住むといわれる在日韓国・朝鮮人（コリアン）。著者は、日本社会では在日の人たちの存在が、タブー視も含めて「見えなく」されてきたと指摘。隣人として共に日本で生きる在日コリアンがどこから来て、どんな生き方をし、そして何に悩み、これからどう生きていこうとしているのかを、誠実に取材したノンフィクションです。在日コリアンへの理解と、共生社会実現に役立つ秀作です。 　第１部「コリアンとは誰か」では、日本に帰化した歌手を通して在日の歴史と思いを浮き彫りにし、焼肉やパチンコ産業を通じて日本の食文化や社会構造との関係を解き明かします。なぜ焼肉やパチンコ店の経営に従事する在日の人が多いのか。その深部まで掘り下げた取材に圧倒されます。 　96年に刊行され、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。最近、再文庫化されました。。
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