![]() |
---|
話題の本 |
![]() 売れっ子作家の哲学には聞くべきものが多いのですが、本業の小説では銀行や証券会社などで働く人たち、特に中間管理職に光を当てた作品が多いのが特徴です。罪深き経済政策の被害者の苦悩が作品の核となり、またストーリーに魅力を与えています。 本書は、その真骨頂といえる作品です。舞台は大手生命保険会社。ワンマン会長が支配するこの会社を外国資本が狙いをつけます。自力での再建はもはや不可能となり、外資系生保との提携が進んでいきます。この中で奔走し、翻弄されていく主人公。上の意のままに職務を果たせば役員の椅子が待っていますが、「管理職の本分」を貫こうとして……。(講談社文庫、695円+税) |
---|
−話題の本ンデックスへ− |