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話題の本

『井上ひさしの日本語相談』

井上ひさし(
新潮文庫、476円+税

  読者からの質問に筆者が答えていく形式で編まれた一冊です。

 「いい」と「よい」はどちらを使うのがいいか――。井上ひさしさんの回答は「どちらも正しい」。

 これで終わっては味気ないのですが、筆者はここからそのニュアンスの違いや場面による使い分けにまで進めていきます。言語学的な立場というより、ことばの達人、井上ひさしの経験から示唆に富んだ名回答が繰り広げられ、日本語をめぐるエッセーといったほうがふさわしい内容です。

 「ニホン、ニッポン、どっち?」「方言を正確に文字化できるのか」「大地震をなぜオオジシンと読むか」「誤用が社会的に承認されるとき」など、ふだん何となくやり過ごしてしまいそうな疑問に、ユーモアを交えながら答えてくれるので楽しく読めます。巻末には、大岡信氏、丸谷才一氏、大野晋氏との座談会を収録。


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