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話題の本

『暴力団』

溝口 敦


 全国で施行された「暴力団排除条例」の影響で、岐路に立たされている暴力団。

繁華街で新しく組事務所を開設できなくなるなど、活動を大きく制限されました。

 暴力団の資金調達が難しくなったことで、生活が苦しくなる末端組員が続出。部屋を借りることさえできずに、車の中で寝泊りしている者まで現れているといいます。

 暴力団で甘い汁を吸えなくなったことから、「ヤクザ」になる若者が大幅に減少していて、組織は弱体化する一方です。その半面、解散を余儀なくされた暴力団が、いくつもの小さな組織犯罪集団に分散して、マフィア化することを著者は危惧(きぐ)しています。

 ほかにも警察との闇取引の実態などを暴き出していて、暴力団の実態をつかむには最適の一冊です。新潮新書、700円+税。


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