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話題の本

『官報複合体』

牧野 洋1

 日本経済新聞元編集委員の著者が、政・官・業とメディアの癒着の実態を明らかにした衝撃の告発本です。

 メディアの中でも特に新聞社は「権力のチェック役」ならぬ「権力の応援団」に成り下がっていると著者は危機感をあらわにします。

 その背景にあるのが、記者クラブ制度だと指摘。第二次世界大戦中、権力に取り込まれ、「大本営発表」を垂れ流し続けてきた記者クラブの体質は今も変わらず、国民を欺き続けているといいます。例えば、東日本大震災に関わる新聞報道では、政府の主張が声高に伝えられることで、消費増税賛成に世論がミスリードされていると怒りを隠しません。また本書では、アメリカの新聞が市民に代わって権力をチェックしている点を紹介し、日本の新聞報道のあるべき姿に迫っています。講談社、1600円+税。


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