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イラク派兵、憲法9条に違反

差止訴訟で名古屋高裁判決

多国籍軍空輸は武力行使

  愛知県の住民などが自衛隊のイラク派兵は違憲だとして差し止めを求めた「自衛隊イラク派兵差止訴訟」の控訴審判決で、名古屋高裁は4月17日、航空自衛隊の多国籍軍空輸は「憲法九条一項に違反する」という画期的判断を示した。
 この集団訴訟は全国11の地裁に提訴され、原告は合計約5500人に上る。原告側は自衛隊のイラク派遣は米軍の違法な武力行使と一体化する軍事行動であり、実質的に日本がイラク戦争に参戦していると指摘。自衛隊派兵は日本国憲法に違反し、国民の平和的生存権を侵害するものだとして、日本政府を訴えた。 判決は、イラクでは現在「国際的な武力紛争が行われ」、特に首都バグダッドは「イラク特措法にいう『戦闘地域』に該当する」と強調。空自によるバグダッドへの多国籍軍空輸は「他国による武力行使と一体化した行動」であり、「武力行使を禁止したイラク特措法二条二項、活動を非戦闘地域に限定した同条三項に違反し、憲法九条一項(戦争放棄)にも違反」すると判断した。
 平和的生存権についても「憲法上の法的な権利として認められる」とし、憲法九条に違反する国の行為があったときや、戦争に加担・協力を強制される場合は裁判所に救済を求めることができると認めた。
 裁判では原告敗訴となったが、勝訴した国側は上告できないため、判決が確定する。
 自衛隊イラク派兵差止訴訟の会と同弁護団は「日本国憲法の根本原理である平和主義の意味を正確にとらえ、それを政府の行為に適用したもので、憲政史上最も優れた、画期的な判決」と評価。この判決を力に自衛隊のイラクからの撤退を求める新たな行動を開始するという決意を表明した。

●自衛隊の撤退を/違憲判決で全労連
 自衛隊のイラク派兵は憲法違反とした名古屋高裁判決について、全労連の小田川和義事務局長は四月二十一日、判決に従ってイラクから自衛隊を撤退させることを政府に求める談話を発表した。談話は「私たちが『戦闘地域であるイラクに、アメリカ軍支援のために自衛隊を派兵するのは憲法九条違反』と主張し、イラク派兵反対、即時撤退を要求してきたことの正当性を司法の判断が裏付けた」と指摘。判決はイラク特措法の違憲性を認定したにも等しいと述べ、「なし崩しの自衛隊海外派兵を企てる政府をも断罪するもの」と強調した。
 そのうえで、判決がイラクでの自衛隊の活動実態の違憲性を断罪している以上、撤退を含めた抜本的な対応が政府に求められ、それを無視することは法治国家としての基本を自ら踏みにじる行為であり、許されないと批判した。


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