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2016年 01月19日

  働く者よ、怒り立ち上がれ!
小林節慶応大学名誉教授インタビュー

参院選は日本を左右する分岐点に

 多くの国民の反対の声を踏みにじり、安倍政権が昨年強行成立させた「安保関連法(戦争法)」。立憲主義が危機に陥るなか、今夏の参院選は日本の将来を左右する大きな分岐点となります。暴走する安倍政権に対し、労働組合にいま求められるものは何か。小林節慶応義塾大学名誉教授に聞きました。

▲日本を売り飛ばす安倍政権

 安倍政権は「日本を取り戻す」と言いながら、実際には日本を売り飛ばしているのが現実です。働く者一人一人がそのことに怒らなければいけません。

 TPP(環太平洋経済連携協定)によって農産物の関税が撤廃されれば、小規模農家は壊滅的な打撃を受けます。食糧自給率は下がり日本の台所は輸入品に独占され、食糧供給を通じて海外資本に生殺与奪の権限を握られかねません。
 強行成立された戦争法は自衛隊を米軍に売り飛ばすものです。中東をはじめ米国が引き起こす戦争への自衛隊派遣が可能となり、日本もテロの危険にさらされます。

 一方、国民に消費増税を課しながら、大もうけする大企業の法人税を減税。過去最高といわれる企業利益は、株の配当として海外のハゲタカファンドの懐に流れていきます。

 安倍首相は多数党の党首というだけの理由で、国会の議論を無視して自らが望むことをやり通しました。国民は選挙で議員を選んだに過ぎませんが、いつの間にか「安倍王朝」が始まっている状況です。大企業や大資産家の用心棒となっている政治権力の下、国民は愚民扱いされているのです。

▲闘う姿勢と志こそが大事

 こうした事実を一人一人の労働組合員が知って、もっと怒れと言いたい。労働者が立ち上がらなければ、この国は動きません。

 たとえ、「蟷螂(とうろう)のおの」(※)といわれたとしても、闘う姿勢や志を示すことが大事です。それが組合運動への支持を広げ、組織率を上げていくことにもつながるのではないでしょうか。

 そのためにも組合内外に広く事実を伝える活動が重要です。大切なことは、根拠を持って怒ることです。安倍政権には怒るべき根拠がいくらでもあります。 夏の参院選挙で、自民党などの改憲勢力が国会の3分の2の議席を占めたら、彼らは実際に改憲を進めるでしょう。自民党の「憲法改正草案」は、個人の尊厳より国家を優先する明治憲法に戻ろうという思想に貫かれています。

 いま声を上げなければそれを認めることになり、後に大きな後悔を残すことになるでしょう。
※力は弱くても敵に歯向かっていくこと

▲暴力政権許さない闘いを

 海外派兵に道を開く戦争法に対し、労働組合は怒りを持って立ち上がってほしい。戦争で国が栄えることはありません。戦争は、いわば国家同士の「高額花火大会」のようなもので、膨大な額の戦費を失う一方、モノを生み出すことは永遠にないからです。

 地球の富を減らし新たな争いの種をまくだけです。世界中で起きているテロのように、暴力の応酬が対立を深めている事実を忘れてはなりません。戦争は国を滅ぼす原因になります。

 戦後比類なき暴力政権を許さない労組の闘いに、期待しています。〈連合通信〉         
 

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