いっそうの賃下げのてこに

公務員賃金の引き下げを利用

地方切り捨て、地域経済は大打撃

         政府・総務省の 介入に屈するな

 京都総評は9月27日、京都府人事委員会に対して「人事院勧告に追随することなく、労働基本権制約の代償機関としての見識ある勧告をもとめる要請書」を申し入れました。
 京都総評という組織は、民間労働組合も含む28単産と21地区労協、約7万人の労働者で構成する京都のローカルセンターです。その京都総評が、今年の人事院勧告に対して看過できないとし、京都府人事委員会がこれに追随しないよう申し入れたわけです。

「民間に大きな影響を及ぼす自覚もて」

広がる「京都府人事委員会に良識ある勧告を」の声

   依然として続く低賃金・不安定雇用

 いま、京都で働く民間企業の労働者は、長引く不況と政府がすすめる大企業本位のリストラ政策のもと、低賃金・不安定雇用の状態に置かれ、臨時、パート、派遣、請負など様々な形態で非正規の労働者が拡大しています。京都府は「府民だより」などで「京都の雇用情勢は改善してきた」と宣伝していますが、その多くは「短期の非正規労働者」であり、とても「雇用情勢の改善」などといえないとの声が多く出されています。
 また、それだけに、民間の労働者からは、「公務員は恵まれている」とか「公務員の賃金は高すぎる」、「民間が大変なのだから公務員の賃金も下げるべき」という率直な声も聞こえてきます。

   「小さな政府」が「豊かな日本」か?

 こうした声とともにマスコミの公務員バッシングを最大限利用し、小泉政権が巧みにつくり出そうとしているのが「小さな政府」づくりです。すべての公務員を「特権階級」のごとく描き出し、行政「改革」の名のもとに「官から民へ」の流れをつくって公共サービスを民間にゆだね、公務員を大幅に削減する。このことが、民間労働者の雇用を拡大し、あたかも「豊かな日本」をつくり出すがごとく描きだしています。

   
「給与構造改革」狙いは公務員にとどまらない

 しかし、「官から民へ」の流れが、そんな「バラ色」のものでないことは、「電電公社の解体」や「国鉄分割民営化」で既に実証済みです。しかし、政府は、「郵政民営化」に続いて地方自治体にも公共サービスの民間解放を押し付けています。
 加えて、公務員の総人件費削減です。その突破口が今回の「給与構造の改革」です。この狙いが、公務員賃金の削減に留まらず、日本の労働者のさらなる賃金削減にあることは明白です。

   民間労働者の声を真摯に受けとめよ

 京都総評の申し入れに参加した民間労働組合の代表から「スト権を剥奪しているもとで、一方的にマイナス勧告を押し付けていいのか」とか「勧告が民間労働者や地域経済に及ぼす影響を考えているのか」など人事委員会に対して強い怒りの声がぶつけられました。 京都府人事委員会は、こうした声に率直に耳を傾けるべきです。

市町村の職員の生活を直撃

1800筆の署名添え申し入れ

 9月28日、人事院勧告完全実施の閣議決定を受けて、総務省は地方自治体における勧告の取扱いについて事務次官通知を出しました。
 今回初めて人事委員会の委員長あてに文書を通知するとともに、給与制度の見直しについては、職務の級についてその内容を示して条例での規定を求めるなど細部にわたって国準拠を求めており、まさに地方自治を踏みにじる内容となっています。また、10月4日、政府は今特別国会に提出する給与法案と退職手当法案を閣議決定しました。
 府職連(府職労、京教祖)は10月5日、10月中旬に見込まれる勧告にむけて京都府人事委員会との交渉を実施しました。小泉「構造改革」に基づくいっそうの公務員賃金抑制と、給与構造の「見直し」による職場と地域分断の攻撃に屈することなく、京都府人事委員会が主体性と専門性を発揮して、京都らしい見識を示す勧告を行うよう求めました。
 また、京都自治労連加盟の都市職、町村職も「市町村の職員の生活を直撃する」とのべ、はじめてとりくんだ署名1800筆を添えて申し入れを行いました。

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