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賃金・給与構造

企業のための労働法制改悪

規制緩和規制改革・民間開放推進会議が「意見」まとめる

 厚生労働省内で労働契約法・労働時間法制の審議が6月末に中断。8月に入っても再開されそうにありません。内閣府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)がこの問題で「意見」をまとめ、発表しました。

●審議再開し企業論理押しつけは刈る
 同推進会議は、各省庁の頭越しに数々の規制緩和政策を打ち出し、それを政府に閣議決定(規制改革・民間開放推進3カ年計画)させてお墨付きを得るという強引なやり方が特徴です。 宮内会長らが推進し、閣議決定されている3カ年計画の中に、今度の法制化も入っています。
 「労働時間規制の適用除外制度の整備拡充」(平成18年度結論)、「労働契約法制の整備」(平成18年度結論)という具合です。
 推進会議としては、3カ年計画どおりに早く結論を出して欲しいとあせっています。厚生労働省事務局の素案の内容が二転三転したかと思ったら、今度は審議中断。改めて、3カ年計画の内容に沿った審議が必要だといっているのです。

●企業の手をしばる中身は反対
 推進会議の「意見」には、厚生労働省事務局によるわかりにくい文書と違い、宮内さんらの本音が。ある意味、面白い内容になっています。
 一部を紹介しましょう。 そもそも、どういう労働契約法制と労働時間法制見直しが必要か。この点では「企業の実情から乖離したものとならないよう十分留意を」「杓子定規な法制度はかえって人事労務の現場に混乱を招く」と指摘しています。要は、企業の手をしばるようなものはダメだということ。逆に労働者の手をしばるものは大歓迎というスタンスです。

●就業規則の変更は組合の合意無くても・・・
 一例をあげましょう。
 労働側が猛反発した就業規則にかかわる規定案。賃下げなど労働条件の不利益変更について、過半数組合か過半数代表者の合意があれば、個別の労働者はそれに「同意したと推定する」というものです。
 労働側は、こんな規定がつくられれば少数組合や個別労働者の権利はないがしろにされてしまう、と批判してきました。ところが、推進会議意見は、この内容を「基本的に理解できる」としつつ、過半数組合などとの合意がなくても「就業規則変更の合理性が一概に否定されるわけではない」と主張しています。
 過半数組合などの合意があれば、労働者は文句を言わずに従え。でも合意があろうがなかろうが、就業規則変更は可能だと言っているのです。

●「自律的労働時間制」本人同意も不要
 労働時間規制を外して残業を野放しにするもの、と批判されてきた「自律的労働時間制度」。推進会議意見は導入を当然とする立場から、こう指摘します。
 「本人同意を要件とすることも…なじまない」。
 規制を外せば、長時間労働が懸念されます。健康破壊や過労死の恐れがあるからこそ、厚労省事務局は本人同意を要件として提起していました。本当に本人同意が機能するかどうかは別として、労働者を気遣う姿勢の一端はありました。
 それさえ不要、というのが財界の意見なのです。企業の使い勝手が悪くなることには反対、というスタンスです。
 ほかにも、安上がりの金銭解決制度が必要とし、解雇や配転・出向ルールについても「一律規制はダメ」と、もう言いたい放題です。 


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