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賃金・給与構造

広がる若年層での賃金格差

06年版労働経済白書

背景に非正規雇用の拡大

 このほど閣議に報告された2006年版労働経済白書は、雇用情勢に改善がみられる一方で、雇用全体に占める正規雇用の割合が低下していると指摘しました。特に若年層での非正規雇用の増加と収入格差の広がりに懸念を表明。均衡処遇など公正な処遇の確保を強調しています。

 白書は、完全失業率や有効求人倍率などの指標が景気回復を背景に、最悪だった2002年当時の水準から回復し改善する傾向にあると指摘。しかし、増加する雇用の内容については、契約、嘱託、派遣、アルバイトなど「非正規の職員・従業員が増えていることによるもの」と分析しました。 非正規雇用で働く労働者は1663万人で、役員を除く全雇用労働者の約3人に1人にあたります。約1000万人だった1995年以降急増しているといいます。
 企業が非正規雇用を増やす最大の理由は「労務コスト削減のため」。2000年以後は製造業でも非正規雇用が増加しており、企業の国際競争力向上に大きく貢献していると白書は指摘しています。

 20歳代前半層の非正規雇用率が1990年代から他の年齢層と比べて大きく上昇したことで、収入の低い労働者の割合が高まったと指摘。20歳代では年収150万円未満の層が増加する一方、同200万円〜499万円の層が減少するなど、格差の広がりをうかがわせるデータも示しました。

 若い時に非正規雇用の仕事に就いた場合、なかなか正規雇用の職に就けないことや就業経験が昇給につながらないことから、将来的に格差が固定化する懸念を表明。非正規雇用で働く人の有配偶率が正規雇用の人の半分程度にとどまり、少子化を促進させているとも述べています。

 改善策として@パート労働者と正規雇用との均衡処遇など公正な処遇が確保される労働環境の整備A職業能力開発の充実B自立した職業生活を営むための社会的支援──が必要としています。


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