府立高校再編整備方針の撤回を

府職労が声明を発表

「府立学校再編整備方針(案)」を撤回させ、地元や生徒・保護者・教職員、教育行政関係者等の意見を反映した府立学校整備を

京都府職員労働組合
              京都府職員労働組合教育支部

 京都府教育委員会は5月24日、緊急記者会見を行い、@2007年度に南八幡高校を八幡高校に統合し、2009年度に城南高校を西宇治高校に統合する、Aその跡地に2つの養護学校を新設するとともに桃山養護学校を閉校するという「府立学校再編整備方針(案)」を発表しました。
 今回の府教育委員会の「方針(案)」は、その発表の仕方はもちろん、内容についても、以下のとおり看過できない重要な問題を持っています。

 第一に、今回の発表は、府教育委員会自身がこれまで、「関係者に十分説明する」「地元の理解を得る」と表明し、4月下旬に開催された宇治市内に所在する府立高校のPTA会長や学校評議員等を対象にした説明・懇談会でも「対象校についてはまだ公表する段階にない」としてきたにもかかわらず、統廃合の対象となる高校の教職員や在校生、PTAや同窓会などにも事前に全く知らせず、合意のないまま一方的に行ったことです。
府教育委員会事務局に働く職員にも事前の説明は一切なく、新聞報道で初めて知るというありさまです。
まさに、山田知事が昨年9月、患者・府民や病院関係者に一切知らせず、「洛東病院廃止」を一方的に記者発表したのと同様、教職員や生徒、府民不在の教育行政の体質を示すものです。

 第二に、今回の府立高校統廃合は、根拠のない「1学年8学級」適正規模論を押しつけ、「経営効率」を優先する京都府と府教委の姿勢を鮮明にするものであり、府内全域の高校統廃合への突破口となることが危惧されるものです。
 また、普通科を減らす一方、専門学科や中高一貫教育の導入をさらにすすめ、競争と選別をいっそう激化させようとしています。
 とりわけ南部地域は、入学選抜制度の改変により進路決定に困難をもたらすとともに、遠距離通学を生じており、高校を2校も減らすことはさらに拍車をかけるものです。

 第三に、養護学校の新設方針は、南八幡高校と城南高校の校地に、それぞれ2010年度と2011年度に開校するとし、「高校統廃合とリンクしていない」とのこれまでの説明とは大きく異なり、高校の廃止を前提に養護学校を建設することです。しかも、これまで言及していない桃山養護学校の閉校まで打ち出しました。
 これらは、「身近に通える小規模の養護学校を」「宇治市・城陽市・八幡市の3地域に早急に養護学校新設を」との府民の願いに逆行するものです。

 府職労は、教育行政の重要な責務は教育基本法にうたわれているように「教育条件整備」であるとの立場から、「今回の「方針(案)」の撤回と学校関係者や地元関係者等への十分な説明を求めるとともに、府立学校の充実・発展を初めとして、府民・子ども・教育関係者の意見を反映した教育の推進のために奮闘するものです。
府教委への申し入れ