江戸時代の豆腐料理の味
江戸時代のベストセラー本
「真のうどん豆腐より太くひらめにきりて、うどん豆腐の煮かげんにて湯をしぼりもり、生の煮かへし醤油を直にかけ、花がつほ、おろし大根、葱白のざくざく唐辛子の粉をく」
江戸時代にベストセラーとなった醒狂道何必醇の『豆腐百珍』に載る料理です。この本は、豆腐を材料とする百種類の料理を紹介する、いわば豆腐料理のレシピ集です。魅力的な書名、読みやすい内容、凝った編集がされていて、江戸時代の料理本の画期をなした本として高く評価されています。
3月11日から京都文化博物館で展覧会
京都文化博物館では、今月11日から来月16日まで、「京の食文化展―京料理・京野菜の歴史と魅力―」と題する展覧会を開催しています。食べるだけでは味わい尽くせない京都の食文化の奥深さを、美術品や歴史資料を通して味わっていただき、食文化の京都通になっていただこうとする企画です。
4月になると、京都市西京区から乙訓地域にかけては、京タケノコの出荷の季節を迎えます。農家では、竹薮の地面のヒビ割れを探して、ホリと呼ばれる独特の鍬を使ってタケノコを掘り出します。
展示会場では、物集女の農家の協力を得て、その様子を撮影したビデオを流します。京野菜といえばスグキや鹿ヶ谷カボチャを思い出されるでしょうが、京タケノコも京都の伝統野菜の一つに数えられています。
京都文化博物館の1階には、ろうじ店舗と呼ぶお店があります。そこの豆腐料理店では、前述の「ぶっかけうどん豆腐」を、蕎麦屋では「筍そば」を、展覧会の会期中に限り、特別メニューとして販売しています。展覧会の見学後に立ち寄られると、味わい深いのではとお勧めします。
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