災害から府民の生命と暮らし守る

府政最前線でがんばる府職員

台風23号その時 中丹東土木事務所は…

 大型台風23号は、京都府内でも死者15名をはじめ、被害額600億円を超える大きな被害をもたらした。この日、中丹東土木事務所では約70人の職員が待機、対応にあたった。予想をはるかに超える雨と強風、管内で通行止めが50カ所、洪水は6河川に及び、2河川では破壊寸前の状況になった。この中で職員は夜を徹して府民の安全確保のため奮闘した。そのドラマを追う。(写真はホームぺージより)

 道路に水があふれてる倒木で通れない

 被災の第一報が舞鶴駐在に飛び込んできたのは10月20日の11時50分、国道175号・大川橋手前の道路に水があふれているので対応を求める要請が入る。ここは、道路冠水の常習地帯である。
 13時30分過ぎ、西舞鶴の福井川、加佐地域の八戸地川をはじめ、各地から水が溢れ、道路冠水、倒木で道がふさがっているとの連絡が次々と入る。風雨はますます強まり、15時を過ぎると東舞鶴でも川が溢れている、道路冠水や土砂の流出、倒木などが起こっていると地元区長や警察などから連絡が入る。各地で通行止めの状況も発生。被害は舞鶴全域にわたっている。

 中丹東と振興局職員の応援で何とか

 駐在に残っている職員だけでは手がまわらない状態になる。業者に出動を依頼しても現場対応できたか把握できない。
 パトロール班も急遽災害対応にまわる。中丹東からも4人の応援が到着。「崩土」「倒木」への対応を求める連絡はひっきりなしに入り続ける。職員は対応に精一杯で振興局にも応援を求める。残っていた農林商工室の職員の応援も得て、土木の職員と一緒に強い雨と風の中、危険箇所へと急ぐ。
 外はすでに真っ暗。夜中まで現場へ走る。
 国道178号(実際は175号)で「観光バスが水没、立ち往生している」との情報が舞鶴駐在に入ったのは21時30分ごろのこと。それまで2度、加佐・大川橋方面に状況を見に行ったが、道路冠水や渋滞で到着できず、職員による状況把握はできなかった。再度チャレンジ。歩きながら車で前に進めるか確認しながら、「大川橋の現場に到着したのは夜中の0時30分ごろだった」と振り返る。

 少ない体制の中で地元消防団などと協力

 職員が現場に行けない状況の中、「地域の消防団ががんばってくれている」との報告に「今度の台風ほど地域の力を実感したことはない」とは職員の声。一方、業者の対応は実際はできなかった。最後は職員による直営での現場対応が頼りとなった。しかし、圧倒的に人手不足を実感した。
 今回の台風23号による被害の大きさは、短時間に300ミリという大雨が流域全てに集中して降ったことが予想もしない急激な水位上昇を招き、被害を大きくした。マスコミ報道でも明らかにされている。
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