災害から府民の生命と暮らし守る

府政最前線でがんばる府職員

台風23号その時 中丹西土木事務所は…

 
しっかり力発揮した職員パワーと連携


 早かった災害対策の体制確立
 
 中丹西土木事務所(福知山)管内も、台風が近づくにつれ、雨が強くなってきた。福知山市内にも警戒警報が発令された。
 中丹西の対応は早かった。朝から台風対応のためグループ会議がもたれた。「この台風は、大きな被害をもたらす可能性がある」と引き締めた。
 情報の集中と地図落とし、水位観測や雨量計、土砂監視システムなどの機器管理、現場のパトロール、状況把握など仕事の分担がされた。
 刻一刻と崩土や倒木の情報がはいる。住民からの問い合わせは台風が接近するにつれ増えてくる。住民対応は管理室。情報が共有され、トラブルはあまり発生しなかった。
 夕方になると、雨はいっそう激しくなる。16時に所長が全員待機の要請をおこなう。ほとんどの職員が残った。一旦帰途についた職員も「通行止め」で引き返してきた。

 さあ、現場へ。まずは安全確保

 17時ごろから由良川の水位が急に上がりだす。この時間帯は、ほとんどの道路が「通行止め」になった。 由良川沿いを大江町まで行き、大雲橋をすぎると今でも被害の実態が生々しいが、20日の21時ごろは2階まで泥水が浸水、一人暮らしのお年寄りがあわや逃げ遅れる事態にも。
 18時ごろになると、現場に足を運んでいた職員が一旦引き上げる。現状がリアルに語られる。同時に、危険箇所の「通行止め」のため現場に急ぐ職員。福知山と綾部の境に「通行止」に行った若手職員は増水で帰れなく近くに避難した。
 「雲原でがけ崩れが数箇所あり、道路が寸断された」と、ドライバーから連絡が入る。聞くと、100から200台の車が閉じ込められているという。緊急措置として、地元の消防に公民館の確保を要請。閉じ込められた人たちを誘導してもらった。
 このがけ崩れ箇所では、翌日の早朝から業者に依頼し緊急の脱出路を確保、車を避難させることができた。
 深夜12時になると、大江町で緊急事態が発生。役場の1階が執務机の上まで浸水した。職員は、住民票と戸籍簿をかろうじて2階に上げたという。ファックスや電話は使用不能に。災害情報が届かなくなった。 大江町には22日にならないといけなかった。
 災害箇所420箇所、概算で84億円。これは中丹東の被害箇所よりも多い。24日まで24時間体制を取った。

 根づく地域での消防団活動

 中丹西土木事務所は、旧福知山土木事務所がそのまま残った。職員の協働が大切にされている。また、消防団活動も地域にしっかり根をはっている。指定業者との関係も継続されている。管理職に災害体験者がいた。全体の情報が集中され、役割分担、指揮系統がはっきりしていた。これが本来の土木事務所の姿ではないのか。
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