シリーズ自治体再編

あなたの努力は報われるのか?

シリーズH査定昇給の導入

秋の「公務員制度改革関連法案」

提出へむけ重大な動き



「5段階分類・2段階評価の人事制度」導入へ

 職員本人が自らの「能力」と「実績」について自己評価したものを、職場の上司が5段階に分かれた等級ごとに定める基準で評価し直し、そのまた上司が評価の適正さをチェックし給与に反映させ、昇任・降格させる。
 これは、政府が06年4月からの導入をめざして、この秋の臨時国会で提出を準備している公務員制度改革関連法案における新たな人事評価制度の骨子案です。政府は01年に閣議決定させた「公務員制度改革大綱」にもとづき、国と地方の公務員の人事・給与制度を50年ぶりに「大改革」するとして、関連法の成立を狙っています。


「延伸者をドンドン出す」と公言する管理職

 全国では、この間、東京、神奈川、大阪などでトップダウン的な目標管理制度とリンクした賃金と人事考課連動の評価制度が導入され、公務員制度改革の先取りの動きがすすんでいます。
 東京都では、94年に管理職の勤勉手当に成績率が導入されていましたが、03年6月期からは係長級職員にも成績率が導入されました。そして04年4月からは定期昇給に成績率が導入され、「病気欠勤したから」「目標達成できなかったから」などの理由で3カ月延伸者が生じることとなりました。
 職場では、「私は延伸者は出さない」と明言する管理職がいる一方、「ドンドン出す」と公言する管理職がいるなど、本人に対する告知の問題をはじめとして、評価制度そのものへの疑問が多く出されており、改善要望が7割超にも達しています。


「査定昇給」の導入を人事院勧告で言及

 8月6日に出された人事院勧告は、政府が成立を狙う関連法に歩調を合わせて、「職務・職責を重視し、実績を的確に反映する給与制度へ転換」を目標とした上で、具体的な検討項目として、▽昇格基準の見直し等、▽実績評価に基づいた昇給(査定昇給)の導入等、▽勤勉手当への実績反映の拡大に言及しました。
 京都府でも既に、「かいかくナビ」の「人材活用プログラム」で「業績結果評価を柱にした新人事評価制度の導入検討」をうたっており、政府がすすめる「公務員制度改革」を先取りしようとする姿勢を明らかにしています。


雪印、三菱、関電の失敗を繰り返すな

 総人件費の抑制を最大のネライとして、民間企業でもてはやされてきた、いわゆる「能力・実績主義」人事管理は、雪印、武富士、三菱自動車、関西電力などが引き起こした各種事件の折りにも度々指摘されたように、@順法精神をまひさせ企業のモラルハザードを引き起こす、Aチームでの組織的な仕事のすすめ方を破壊するなど、その矛盾と弊害が明らかになるなかで、社会的にその「見直し」が厳しく迫られている現状があります。
 小泉「構造改革」と一体のものとしてすすめられ、政府・与党・自治体当局にのみ奉仕する「もの言わぬ公務員づくり」をネライとする「能力・実績主義」による「公務員制度改革」ではなく、「国民・住民全体の奉仕者」である公務員の人事制度のあり方についての抜本的なとらえ直しこそが求められているのではないでしょうか。
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