シリーズ自治体再編

民間並の経営手法は見えるが…

シリーズG 加速する指定管理者制度導入の動き

見えてこない「公の施設」の公共性

「効率化」の大合唱ばかり

 指定管理者制度導入にむけた各自治体の動きが急です。
 千葉県社会福祉事業団では、「今後の事業団運営に関する職員アンケート」が全職員に配られました。その内容は、「1、事業団運営」について「今後の事業団運営の動向等をふまえ、引き続き事業団で働きたいと考えていますか」との設問があります。
 また、ずばり「2、事業団が、今後希望退職を募った際の意向等についてお伺いします」として、「希望退職への意向がありますか」「希望退職に当たっての判断基準等について、具体的に記載してください」と問いかけています。
 さらに、「3、退職後の再就職・再雇用についてお伺いします」との設問が続いており、まさに「希望退職を募った際の意向…を把握するため」のアンケートに。


 退職しなくても給与25%削減

 このアンケート用紙とともに、事業団理事長名での「職員アンケートへの協力のお願い」のペーパーが一緒に配布されています。そこには、「経営の効率化」として、@職員数の削減等(希望退職)のために、16〜17年度の2カ年で希望退職を募る予定であること、A「給与の削減」として、17年度に10%以上の削減、18年度に平均25%の削減を検討しており、18年度以降の退職金は県と今後協議していく予定であること、B「その他経費の削減」として、互助会や職場内保育所の廃止、職員住宅の家賃引き上げ等を検討していることが強調されています。

 公園管理で外郭団体が落選

 東京都では、都立小山内裏(おやまだいり)公園の7月開園に当たって、4月に都立公園としては初めて指定管理者の募集が行われ、5月に候補者が内定し6月都議会で正式指定となりました。「民間企業も公募対象とした指定管理者のパイロットケース」(6月「都政新報」)とされます。17団体の応募の中から指定されたのは、鞄比谷アメニスをはじめとしたJVである「日比谷アメニスグループ」です。
 従来、都立公園は都の外郭団体である「財団法人東京都公園協会」(※都からの管理委託費年間80億円)が独占的に管理してきましたが、今回は2次審査には残ったものの、学識経験者3人、行政3人の計6人の選考委員会を前にしたプレゼンテーションを経て、管理者には指定されませんでした。
 東京都は、75ある都立公園のうち、06年度までに64カ所でいっせいに指定管理者制度を導入する方針とされ、来年夏に指定管理者の募集、秋には事業者の選定という流れが見込まれています。これらの動きに共通しているのは、民間企業並の経営手法は見えるが、住民の権利とは何か、「公の施設」の公共性とは何か、行政の専門性と公平性とは何かということが全く見えてこないことです。はたして、このようなことでよいのでしょうか。「公の施設」は住民のもの、人も財産です。私的な企業の利潤追求の施設としないため、施設がはたしている意義と役割をとらえ直すことが大切です。
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