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高齢者襲う大増税

控除廃止・縮小で課税10倍も

次の狙いはサラリーマン!?

 65歳以上高齢者の住民税が今年度から大増税されたことが各地で問題になっています。税金が跳ね上がった理由は、課税所得を算出する際に高齢者へ適用している控除の廃止・縮小ですが、政府は同様の増税措置を現役世代向けにも検討中です。

 「ゼロだった住民税がいきなり課税に」「住民税が10倍に増えた」──所得が増えていないのになぜそんな事態が起こるのか。
 全国で、市役所や町役場に窮状を訴える事態が起こっています。京都市内でも区役所にお年寄りが大挙して詰めかけ「なぜ、住民税や介護保険料が上がったのか」問いただす実態が続いています。
 これまで65歳以上の高齢者(年収1000万円以下)には「老年者控除」の制度がありました。課税対象の所得から48万円(住民税の場合。所得税は50万円)を引くことができる制度です。ところが04年度税制改正で老年者控除は廃止が決定。今年から住民税分の廃止が実施されたのです。
 また、年金収入に対する「公的年金控除」には、65歳以上の人への加算措置がありましたが、これも今年から原則的に廃止に。控除の最低保障額も20万円引き下げられました。
 老年者控除廃止と公的年金控除縮小で控除額は68万円(所得税の場合は70万)以上も少なくなり ました。控除額が減れば、課税所得は逆に増えます。つまり収入は変わらないのに68万円も課税所得が増えてしまった結果、税金が何倍にも跳ね上がったのです。
 所得税ではすでに昨年からこの控除額縮小による増税が実施されていましたが、今年度からの住民税分廃止では、これに加えて「高齢者の住民税非課税限度額制度」も段階的廃止に(※)。課税額の大幅アップに拍車をかけています。
 (※)65歳以上の高齢者については前年の所得金額が125万円
以下(年金収入で約266万円以下)を非課税とする制度。

 数十万円の大増税か

 小泉首相は、「06骨太の方針」を決めるとき、「歳出をどんどん切りつめていけば、『やめてほしい』という声が出てくる。増税してもいいから必要な施策をやってくれ、という状況になるまで歳出を徹底的にカットしなければならない」と、さらなる大増税をにおわせています。
 現役サラリーマン向けの所得控除については、与党税制改正大綱が「(所得税の)税率構造・控除双方の見直し」を打ち出し、政府税制調査会も昨年の「論点整理」で大幅な縮小を提起。小泉首相が「控除見直しも当然やる」とこれを進める考えを示しました。また消費税の増税も視野に入れています。
 年収の3割と一番額の大きい給与所得控除は「実際に計算すると1割もいかない」(政府税調石会長)と大幅縮小。配偶者控除や特定扶養控除も廃止の方向です。これらを合わせた控除額の縮小幅は年収600万円世帯で200万円以上に。増税額にして年間40万円にも達する試算が出ています。 いま高齢者を襲う大増税は他人事ではありません。


 08年度まで連続増税 医療・介護保険料も
 
 年金収入・年240万円、65歳以上の高齢者夫婦の場合、04年度まで住民税、所得税ともにゼロでしたが、05年度は所得税の控除縮小で所得税2万5700円が課税。今年度からは住民税7700円が新たに課税され、課税合計は3万6600円になりました。
 非課税措置の段階的廃止による影響で課税額はさらに増え、08年度の所得税・住民税額は合計5万2000円余りに。住民税課税者になったことで、国民健康保険料、介護保険料もアップし、負担増合計は年間10万円を確実に超えます。


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