京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理  大学の法人化
府職労ニュース



東京圏と地方の格差拡大も急速に進行

「いま、住民・自治体労働者に求められること」−岡田京大教授が講演

 府職労自治研集会が9月9日、ハートピアで開催されました。午前10時から始まった全体会では、佐井府職労委員長があいさつ(別項)。つづいて「地方自治・公共性の破壊に抗して−いま住民・自治体労働者に求められること」をテーマに岡田・京大教授が記念講演。京都市職労の宮内副委員長が「京都市職員による犯罪・不祥事問題について」と題して特別報告、府職労本部からの基調報告ののち、午後からは7つの分科会に分かれ議論を深めました。 参加者からは「期待にぴったり。小泉悪政が今後も続く深部の動きが分かった。住民よ怒りの声を≠ニの気持ち」「参加してよかった。元気な気持ちをもって帰ります」などの感想が寄せられました。
 
 戦後最大の危機に直面している地方自治 
 
 記念講演では岡田氏が、「小泉『構造改革』の下で地方自治が戦後最大の危機に直面している」と指摘しました。まず例にあげたのが、「合併新法」体制の下ですすめられる新たな市町村合併推進の動きで。東京都とほぼ同じ面積でありながら、人口わずかに10万人の新・高山市において、はたして住民の意向を反映した行政が行われるかは大いに疑問であり、住民自治の制度基盤が空洞化しかねないと語りました。
 また、「三位一体改革」が、結局はわずかな税源移譲とひきかえに地方交付金と国庫補助金の大幅削減の結果に終わったことを指摘するとともに、東京都を中心とした大都市部への財源の重点配分の狙いについてもふれながら、いっそうの地方財政制度のリストラが計画されていると語りました。
 さらに、「集中改革プラン」の強制などによって人件費を削りながら、民営化、PFI、指定管理者制度、さらには市場化テスト法によっていっそうの公務のアウトソーシングが進められつつあると指摘。この間の郵便集配局の廃止問題も例にあげながら、民間資本にとって魅力のない£n域・階層にとっては必要最小限の行政サービスさえ解体されかねないと語りました。
 そして、小泉後の新政権のもとで、有事体制づくりと憲法9条改悪への動きが、さらに加速しかねないと語りました。

 
 地域住民主権を発揮するとりくみを 
 
 岡田氏は、大企業と中小企業、勤労者間での格差の拡大、高齢者、障害者、失業者の負担増、地方への財政負担の転嫁、東京圏と地方圏での格差拡大を例にあげるとともに、東大阪市長選挙や滋賀県知事選挙の結果に見られるように、政治レベルにおいても小泉「構造改革」による矛盾が拡大していると語りました。
 そのうえで、各自治体ですすめられている「集中改革プラン」のチェックポイントとして、「財政」の視点だけからではなく、地域住民の視点、まちづくりの視点から検証することが重要だと語りました。
 また、合併した自治体・政令市での地域住民主権を実現する活動として、上越市における地域自治組織の事例をあげながら、政令市における区も含めて、地域自治区・地域協議会を設置することの有効性を語りました。
 さらに、市場化テストをはじめとする各種「市場化」手法に対しては、その問題点を具体的な事実で批判し、公務で行うことの優位性をわかりやすく語り広げることが大切であると語りました。
 そのうえで、自治体の財政と経済、社会の実態・問題点を客観的に把握し、その地域にふさわしい個性ある地域づくりを展開しよう。そのためにも各政策の立案、実施過程での住民主権の発揮と保障が必要であり、そうした自治体改革と地域づくりをすすめようと呼びかけました。



府職労ニュースインデックスへ