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話題の本

現代社会や精神医療の現場についての対談

「鬱の力」五木寛之+香山リカ著

 「うつ病と、人間本来の感情である『鬱(うつ)』は分けなければならない」という共通の考えをもった作家・五木寛之と精神科医・香山リカによる、現代社会や精神医療の現場についての対談です。
 五木は、戦後半世紀は「躁(そう)の時代」で、いまは「鬱の時代」への転換期と指摘。「この時代に鬱を感じるということは、その人がとても繊細で、人間的で、優しい人間であることの証拠」「いまの時代は『ちょっと鬱』というくらいが、いちばん正しい生き方」と語ります。

 一方、香山は失恋して落ち込んでいる人も「うつ病」と診断される現代の精神医療の問題点を語り、「心の健康には抗うつ剤に頼るより、自分の内面に向き合うほうが有効な場合もある」。「鬱は力」という五木に、鬱に悩む人の力になるのは「五木さんのような発想の転換ではないか」と応じます。

 鬱の気分が覆う現代での生き方について語る二人の発言に、滅入った気分がちょっと軽くなる一冊。幻冬舎新書、740円+税。
 


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