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3月号


「三位一体改革」が地方財政を直撃



公立保育所が大変 

「三位一体改革」による地方交付税の突然の削減等で、全国の地方自治体が来年度予算を組むのに大変な苦労をしているのをご存じですか。
 京都府の来年度予算も、当初300億円の赤字を予想していたのが、306億円の交付税の削減で、606億円の赤字に。来年度予算は「何とか組めた」けれど、「この秋には新たな財政健全化計画の策定が必要」と、副知事が府職労への予算説明の中で言っています。
 特に、大変なのは、市町村の公立保育所の運営費です。従来は「国庫補助負担金」でキッチリ特定財源として措置されていたものが、「所得譲与税」という人口見合いで配分される一般財源に変わったため、人口の少ない市町村では従来の額が確保できなくなってしまいました。例えば、美山町では従来8,000万円あったものが500万円にまで激減するというような事態です。地方財政危機をどんどんつくりだし、市町村合併や自治体リストラを促進しようというコンタンです。
 3月1日、府職労が提出した「三位一体改革反対の意見採択を求める陳情書」を府議会議長は自ら面談して受け取られました。小泉首相が進める「三位一体改革」に対しては、首長や議会議長ともいっしょになって声をあげていけるはず。国に対してハッキリもの申すことなしに、地方財政危機打開の道は開けないことは明白です。

「かいかくナビ」に一言


  包括外部監査って?


 包括外部監査っていったい何なんでしょう。3月26日の京都新聞によると、「2003年度京都府包括外部監査」のなかで、監査人は、赤字に悩む「府立体育館」を「指定管理者制度」により民間企業やNPOへ委託するよう検討を求めたり、「府立総合資料館」の業務内容が中途半端として府立図書館との関係も含め検討するよう、また、下水道公社や住宅供給公社の民間委託の検討などを指摘しています。
 包括外部監査制度は、本来行政に関する住民の監視という民主的な意味を持っているのですが、京都府の場合、包括外部監査が入るとそれを根拠に京都府がみごとに動くのです。医大付属病院のときも、外かく団体のときも、農林の試験研究機関のときも。まるで、京都府が進めたいことを監査人に権威付けしてもらっているかのようです。
 いま、構造改革「特区」や「独立行政法人」「指定管理者制度」などを使って、公共サービスを民間市場に丸投げする動きが全国で急ピッチで進んでいます。京都府も例外ではなく、「かいかくナビ」でその方向をめざし始めています。
 また、財界は「官製市場の開放」に障害となるものがあれば、国が法律で障害を取り除くよう迫っています。自治体でなければ、公務員でなければと個別法で制限しているものについては、「一括法」でその制限さえも取り払おうという動きです。
 「公務」とは、「直営」とは何なのか、「かいかくナビ」が打ち出すものに対して、私たちは「地方自治を守る」立場で、きっちりチエックしていく必要があります。
組織改編・権限委譲・フラット化


不安や疑問、気がついたこと 
要求書に!

 3月16日、女性部は4つのブロックに分かれて女性部委員会をもちました。その中で出された組織再編・人事異動に対する声などを紹介します。あなたの職場ではどんな声があがっていますか?
▼組織・定数が出されてすぐの頃は、「おかしい」とか「これではわからない」とか不安や疑問も出ていたけれど、すぐに鳥インフルエンザの対応が入ってしまい、まともな相談ができていない。こんな状態で本当に5月にスタートするの?  
                     
▼年度末・年度初めに入り、人事異動も目の前にちらつきだし、もう目先のことで頭がいっぱい。組織のあり方など、ほんとうはちゃんと議論しとかないと、後でしんどい思いするのは自分たち、現場の職員や府民だとは思うんだけど…。
                     
▼「どんな業務内容なのか」とか「フラット化で仕事の流れがどう変わるのか」など、上の人にいくら質問しても、はぐらかされてしまう。答えが返ってこない。
                     
▼本庁から権限委譲される仕事を誰が受け、誰に引き継ぐのか、心配。4月に説明を受けた職員が5月にその部署にいなくなる例も多分に予想されるし…。
                     
▼本庁では、権限委譲するところは減員される。5月以降、地方機関から質問が来たら、誰が対応するの?
                     
▼フラット化されるというが、どういう仕事の流れになるのか、説明が全くない。グループリーダーの役割や担当との関係もよくわからない。
                     
▼職員がやたら増え、執務室、会議室の確保が大変。壁をとりはらい、ワン・フロワーにするというが、来客も多いなか、昼休みでも府民から見られているみたいでツライ。トイレに入るのがわかるのもイヤ。

▼再編後の業務内容や対応窓口の変更を、府民に早く周知徹底してほしい。5月になって「ここではないんです」と説明して、文句や苦情を聞くのは窓口の職員。そのストレスを考えると今から気が重い。

 などなど、職場には不安と疑問がいっぱいです。このまま時間切れなどということで、あいまいにスタートしたら、混乱は避けられないのではないでしょうか。所属長が説明できないなら、すぐ主管課や人事当局に確認させましょう。私たちが気がついたことを要求書にして問題提起しないと、当局は気がついていないことだらけです。府民サービスを低下させないためにも、労働条件をこれ以上悪くしないためにも、再編前も再編後も、忙しいからこそ、要求運動を強めたいと思います。