勧告はひとり公務員だけの問題ではない

京都総評女性部などが人事委員会へ申し入れ

 9月21日、京都総評女性部、京都自治労連女性部、府職労女性部、京教組女性部は、京都府人事委員会事務局に合同で申し入れをしました。
 「公務員の賃金が下がっても民間はちっともよくならない。公務員が下がったんだからとますます厳しい回答になるだけ」「中小零細で働く者にとって、正直、公務員賃金はうらやましいけれど、私たちがめざすものだと考えている」「今まで国の機関がない市町村は、京都府人事委員会の調整手当を参考にしてきた。地域経済が疲弊しているときに、地方を切り捨てる、国の地域手当の決定方法に追従すべきではない」「公務の仕事は府民や生徒のためにチームワークでするもの、賃金に差をつけ、公務員を分断するようなことがあったら迷惑を受けるのは府民や生徒」 。それぞれの立場から、見識ある勧告をするよう、申し入れました。

政府・総務省の不当な介入・圧力に屈するな

府人事委員会は見識ある勧告

 国の人事院勧告をうけて、京都府人事委員会がどんな勧告を出すのか、私たち府職員だけではなく、府内の市町村職員も、民間労働者も注目しています。労働基本権制約の「代償機関」としての役割を発揮しきれるのか、政府・総務省の介入・圧力に屈してしまうのか、その存在意義が問われる局面をむかえています。

   9割超もの職員が何年間も昇給ストップ!職員を5ランクに分断

 公務員給与制度を抜本的に変えてしまう、人事院勧告の「給与構造の見直し」。もしストレートに京都府に導入されれば、9割を超える府職員が事実上昇給がストップし、たとえ経過措置として現給が保障されても、圧倒的多数の人が@40歳前半で今後8年から9年間賃金が上がらない A40歳後半以降は賃上げがないまま退職を迎える B若年層も生涯賃金で1000万円以上引き下がるという、とんでもない内容です。同時に、職員を5ランクに評価し、賃金にリンクさせる査定昇給制度は、職場や職員を分断させるという重大な問題をもっています。

    政令市の勧告は国に追随せず、「給与構造の見直し」は先送り

 政令市の人事委員会の多くが、「給与構造の見直し」部分については、勧告にはふれず、今後の検討課題としています。
 9月9日、京都市人事委員会は、「給与構造の見直し」部分について、@水準引き下げ・地域給は、国公労働者への配分手法として設計されているもの A成果主義については、現行制度そのものが勤務成績を反映しており、市民の理解、納得が得られる制度の確保の観点から、その必要性や手法について十分に研究する必要があるという勧告を出しました。


  「給与構造の見直し」は行うな。少なくとも時間をかけて慎重な検討を

 府職労は9月7日に引き続き、16日に京都府人事委員会と「給与構造の見直し」を中心に交渉を行いました。
 交渉団は、「給料表切り替えに伴う経過措置として、現給は保障されるとしているが、今回の人勧が来春闘に波及し、来年度の人勧がまたマイナスになるという『賃下げの悪魔のサイクル』が予測される。そうなれば、現給も保障されず大変なことになる」と指摘、時間をかけた慎重な検討をすべきだと主張しました。
 また、「全国トップグループをめざすという京都府において、調整手当が実態として大きな役割を担ってきた経過を踏まえ、賃金センサスに比重をかけた地域手当ではなく独自のものをつくるべきだ」と主張するとともに、「誰もが納得できる評価制度が必要。まともな検討もないもとで、査定昇給を導入すれば京都府の職場は崩壊する。慎重に検討すべき」と主張しました。

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