賃金に成果・業績反映を

経営者多数が要望

経団連のトップマネジメント調査

 日本経団連が8月23日発表した「2005年春季労使交渉に関するトップ・マネジメントのアンケート調査結果」によると、今後の賃金決定を「定昇+ベアを行うことが望ましい」とする企業は全体の1%にとどまり、大多数が成果・業績を賃金に反映させる制度を求めていることが分かりました。
 調査は旧・日経連時代から毎年行われており、今年で37回目。5〜6月に実施し、会員企業など約500社の経営トップが回答。


●今春「定昇のみ」過半数

 今春闘では「定期昇給のみ実施」が53・5%(対前年比0・8ポイント減)と過半数を占め、「(ベア・定昇の)区分なく賃上げ」は18・5%(同0・7ポイント減)、「ベア・定昇とも実施」は5・5%(同1・6ポイント増)にとどまっています。
 春闘の結果をうけた賃上げ以外の措置では、「賞与・一時金の引き上げ」が37・0%で、前年より13・1ポイントと大きく増えたのが目立つ。企業が賃金への業績反映を回避していることが示されました。 「賞与・一時金の業績連動制の導入」23・9%(同4・1ポイント減)、「定昇制度の見直し(一部廃止も含む)」20・1%(同12・9%減)、「退職一時金・年金制度の見直し」18・7%(同9・8ポイント減)なども多くありました。
 今回新たに聞いた「定昇制度の廃止」は3・6%です。


●「定昇+ベア」1.0%

 今後の望ましい賃金決定のあり方を聞くと、「定昇制度を廃止し、成果や業績による賃金決定とすべき」が45・3%(同11・6ポイント減)、「定昇のみとし、成果や業績は賞与に反映すべき」は36・0%(同5・6ポイント増)。「定昇を中心とし必要があればベアを行うべき」は9・3%(同3・6ポイント増)だった。03年と04年の調査に続き、合計九割以上が「定昇+ベア」を否定しました。
 「定昇+ベア方式でいくべき」は1・0%(同0・1ポイント減)です。


●8割が継続雇用制度

 調査では高齢者雇用についても聞きました。
 「60歳定年で、原則希望者全員の継続雇用制度を導入」が15・8%(同5・1ポイント増)に増えたものの、「60歳定年で、会社が認めた者に限定した継続雇用制度を導入」が60・9%(同4・9ポイント減)と依然多い。
 改正高年齢者雇用安定法への対応では「継続雇用制度の導入・拡充」が80・4%を占めた。「条件を満たしているため、特に対応せず」11・9%、「定年の引き上げ」1・8%なども目立っています。

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