「給与構造の抜本的見直し」政令市の勧告ではふれず

「勤務実績の給与への反映」などは今後の検討・研究に

 京都市や神戸市、横浜、川崎など政令市の人事委員会勧告が出されています。基本給は、先の人事院勧告と同様マイナス0.35から0.47%のマイナス(京都市は0.44%のマイナス)、期末・勤勉手当は0.05月の引き上げとなっています。
 一方人事院勧告に盛り込まれた「給与制度の抜本的見直し」については、各政令市とも勧告では触れず報告で表現の違いはあっても2006年4月からの実施については慎重な姿勢をとっています。
 京都市は「検討・研究する必要がある」と報告でふれ、名古屋市は「推進を検討するとともに、能力開発プログラムの充実や再任用制度の積極的活用にとりくむ」とし、横浜市は「職員や関係機関の意見を聞きながら、早期に制度の具体的内容を明らかにしたい」と述べています。
 人事院の「抜本見直し」に批判的な見解を示しているのは、神戸市人事委員会で、基本給の4.8%引き下げ、地域手当について「民間賃金の状況を正確に把握し職員の給与水準を民間従業員の水準に均衡させる方式が基本」とし、「国に準じた見直しには否定的な見解を示した」(時事通信)ものになっています。 人事院が示した「給与構造の抜本的見直し」では、全国共通の俸給表を官民比較で最も低い東北・北海道ブロックのマイナス4.8%の給与水準にあわせ、民間との格差を地域手当で補い、年功的給与上昇の抑制、勤務成績に応じた昇給・昇格制度の導入、本省庁手当ての新設などを盛り込んでいます。
 政令市で国と同様の「抜本見直し」を勧告しなかったことは、人事院勧告の矛盾が大きいことを示していると思えます。
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