府政日誌2004年5月21日から31日


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5月31日
◇京都府防災会議、府が実施していた京都西山断層帯(船井郡−京都市−乙訓郡)の調査で、亀岡市内の亀岡断層で長さ約13キロの新たな活断層が発見されたことが報告。新たな活断層は、桂川東岸に沿って亀岡盆地を北西から南東に走っており、八木町神田付近から保津峡入り口付近まで続く。ボーリング調査やP波探査の結果、地表から深さ100メートル付近で、42万〜45万年前の火山灰の地層が、上下に約65メートルずれていることが分かった。断層の活発さは国の基準でB級(中級)に相当する。府は本年度から、西山断層帯の北にある三峠断層帯(福知山市−船井郡)で同様の調査を行う。
◇京都市、本年度の市民公募債「京都浪漫(ロマン)債」を8月10日に発行する、と発表。発行額は20億円で、募集期間は7月16日から28日まで(先着順)。市は、財政面からの市民参加と資金調達の多様化を図るため、昨年度から市民公募債を発行。昨年度は20億円を完売。本年度は年2回の発行にして、年間発行額も計40億円に倍増する。今回は本年度1回目の公募で、電線類地中化、堀川水辺環境整備など「歴史都市・京都の創生と美しいまちづくり」と、本能特別養護老人ホームと消防活動総合センターの整備など「福祉の向上と安心・安全なくらしづくり」に役立てる。
◇福知山市の中村稔市長、辞任し、市役所で退庁式。市職員や各種団体代表ら約300人が出席。
◇宇治市、公立保育所民営化の条例案を、6月定例市議会には提出しないことを表明。「延期を求める保護者からの要望に配慮した」と理由を説明しながらも、「予定通りに来春、民営化を実施する意志は変わらない。条例案は9月に提出したい」。 宇治市は4月、北小倉保育所を来春から民営化する計画を明らかにし、条例案を6月議会に提出する方針を示した。これに対して同保育所や市内の他の保育所の保護者から「性急にすぎる」と反発の声が上がり、民営化条例案を6月議会に提出しないよう求める要望書を市に提出。また、市はこの日の委員会で、民営化へ、公立保育所の建物を民間の社会福祉法人に無償譲渡できる条例案を、6月議会に提案することを表明。小沢総務部長は「民営化案そのものは見送ったが、予定通り来春に民営化を実施する意志を6月議会で示すため」と説明。民営化移管先の社会福祉法人の募集を開始。
◇丹波町の鳥インフルエンザ対策会議の第1回会合、町の各種団体の代表や府や町の職員ら18人が出席、浅田農産船井農場跡地に残る鶏ふんの現状報告や今後の課題について議論。同会議は鳥インフルエンザ問題に長期的に対応する目的で、町が5月1日に設置。
府の担当者が残る鶏ふん処理について、「専門家会議で検討し、地元住民と協議する」と説明。高田養鶏場ではウイルス死滅を確認するため、鶏の試験飼育を行っていることを報告。早ければ7月中旬の営業再開を目指す。
◇人事院のまとめ、03年に懲戒処分を受けた国家公務員は、前年より206人多い2846人で9年連続で増加した。処分者数は10年前の約2・3倍で、1980年以降では最多。処分の内訳は、免職が162人、停職が168人、減給1064人、戒告1452人。
◇自民党の行政改革推進本部が作成した「地方行革に関する提言案」、地方公務員定数、給与・手当ての適正化など行革の成果に応じ05年度から、自治体に地方交付税交付金の上積みなど財政的な優遇措置を講じることが柱。同本部は6月中に新行革大綱の年内策定を政府に申し入れる方針で、その際に国の出先機関のスリム化などと併せて、地方行革の提言案を新大綱に盛り込むよう求める。参院選に向け自民党の改革姿勢をアピールする狙い。現在の地方行革は97年に政府が策定した指針に基づいているが、提言案はさらに積極的に行革を推進する目的から、新たな「地方行革指針」を04年度中に作成するよう明記。各自治体の行革の進度を全国規模で比較できる基準を設け、05年度から情報公開を始める。
◇小泉首相と坂口厚生労働相、参院決算委員会で政府の年金制度改革関連法案における厚生年金給付水準が、受給開始後に、現役世代の手取り賃金の50%を割り込むことについて、衆院審議で具体的に説明していなかったことを事実上認めた。
◇政府、拉致被害者の曽我ひとみさんが家族との再会場所として北京以外を希望するコメントを発表したことを受けて、基本的に北京以外の都市を候補地として北朝鮮側と調整する方針。小泉首相は、拉致被害者曽我ひとみさんの家族との面会場所について「曽我さんの意向を踏まえて対応するように既に指示している」と述べた。

5月30日

◇京都市、市民への説明責任を進めるため、各局が本年度に取り組む指針を定めた初めての「政策推進方針」を、このほど策定した。局ごとの重点施策や目標、予算額などを明記しており、「局長マニフェスト」として市民に公開。市は4月に、「経営感覚とスピード感のある市政運営」を目指し、「新市都市経営戦略」を策定した。「局長マニフェスト」はその具体策の一環で、各局の経営機能を強化し、情報公開を促進することが狙い。
◇宮津市民が1日議員になって市長に質問する「市民議会」、6月1日に市制50周年を迎えるのを記念して開催。
◇滋賀県、公共施設の管理を企業や民間団体に任せる「指定管理者制度」導入の基本方針を本年度策定する。職員組合は県民サービスや雇用の安定を理由に、慎重な対応を求めている。県は本年度、県立施設を設置目的や性質別に分類し、それぞれに導入方針を定める。施設別に導入の可能性や手法を検討し、事業者の選定基準や指定期間を決める。県直営施設でも、新たに指定管理者を置くかどうか検討する。05年度に必要な条例改正や指定管理者の議会承認を行い、06年4月の実施を目指す。県立施設は設置条例別に68種類ある。現行の主な管理者別内訳は@県直営=18(県立大、県立図書館、成人病センターなど)A県スポーツ振興事業団=9(県立体育館、長浜ドーム、琵琶湖漕艇場など)B県社会福祉事業団=8(特別養護老人ホーム、びわ湖こどもの国など)C県文化振興事業団=6(滋賀会館、希望が丘文化公園など)。
5月29日
◇京都府(雇用対策プロジェクト)、経営環境の厳しい中小企業の雇用維持と、民間のアイデアを取り入れる「一石二鳥」を狙い、国の緊急雇用創出特別基金を活用して実施している「提案公募型事業」への応募を呼び掛け。初年度の03年度に採択された事業数が見込みの3分の1程度にとどまったため、本年度は応募要件を緩和。6月8日に事業説明会も開く。
◇「京都御池地下街」、京都市役所北側の路上で増えている業者の弁当販売について、近周辺の飲食店の売り上げが減っているとして、市に指導強化を求める請願を市議会に提出。
請願では、地代を払っていないことが安価な販売を可能にしており、路上販売を放置すると景観、環境、交通面で大きな問題に発展するなどと指摘。
◇学校法人同志社、同志社大の付属小学校を06年4月に開校する、と正式に発表。設立計画は大学評議会などの承認を得ており、同日開いた法人理事会で最終的に決定。開校地は岩倉の同志社高北側グラウンドで、来年1月に着工。
◇市町村合併に関して意見交換する「市町村合併をともに考える全国リレーシンポジウム2004」、静岡県三島市で開かれ、東海、近畿地方の自治体関係者ら約1200人が参加。さいたま市の担当者は、合併から政令指定都市移行までを推進したのは「議会、首長のリーダーシップ」と報告。一方で、役所内の新部署での懇親会後、旧市ごとに二次会を開いた実例や、人間関係がこじれて退職した職員もいると苦労話を挙げ、「まだまだ時間が必要」とした。
◇小泉首相は経済財政諮問会議で、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針第4弾)の焦点になっていた国・地方財政の三位一体改革について、「05、06年度で3兆円をめどとした税源移譲を打ち出してはどうか」と述べ、骨太の方針に3兆円の税源移譲を明記するよう指示。竹中経財相は記者会見で「総理の意向は骨太方針に反映させたい」と述べ、移譲額が盛り込まれる見通し。また道州制特区推進へ向け、組織を設立。骨太の方針第4弾は来月3日の諮問会議でとりまとめ、4日に閣議決定する予定。

5月28日

◇京都府議会、議会運営委員会を開会、6月定例議会の日程を6月4日から22日までの19日間と決定。6月9、10日に代表質問、11、14日に一般質問。また、6月15、16日に常任委員会、17日に特別委員会。提出議案は、ハートビル法改正などに伴う府福祉のまちづくり条例改正案、舞鶴市に府立養護学校を新設のための府立高等学校等設置条例改正案など条例関係7件。さらに、鳥インフルエンザ発生で移動制限を受けた養鶏農家への損失補てんが国で制度化されたのに伴う2003年度一般会計補正予算の専決処分について承認を求める案件、00年8月に府立医科大付属病院で70代男性が肺がん手術を受けた際、右腕に障害が残ったことに対し、府が約100万円を支払うことで和解した件などを加え、計12議案。
◇京都府、03年度の情報公開制度と個人情報保護制度の運用状況をまとめ。公開請求者数は152人で、前年度(115人)より37人増えた。公開請求件数(請求対象公文書数)についても、831件で前年度(375件)の2倍以上となった。機関別では、知事部局が前年度から倍増の426件で、山砂利採取地に関して153件もの請求があった。教育委員会は教員採用試験に関する文書などを中心に35件、公安委員会・警察本部では、捜査費関係文書の請求件数が急増したことなどから、前年度の3倍近い220件だった。
◇京都市議会、各党会派が自衛隊イラク派遣や年金改革法案など、国政に関する意見書を相次いで提出。選挙を意識し、党派色が前面に出た「意見書合戦」に、市会は与野党の枠を超えて賛否が衝突。税財政を見直す政府の「三位一体」改革に関連して、野党の共産党が提出した「地方交付税削減の見直しを求める意見書」には、市会では与党、国政では野党の民主・都みらいが賛成、自民党、公明党が反対して否決。年金改革法案について共産党が「撤回を求める」、民主・都みらいが「撤回と、年金制度一元化も視野に入れた抜本審議を求める」とした意見書をそれぞれ提出、自民、公明両党が反対し、いずれも否決に。共産党は、イラクからの自衛隊撤退を求める意見書を提出。自民党、公明党、民主・都みらいが足並みをそろえ、反対多数で否決。結局、可決されたのは、「政府に介護予防対策の拡充を求める意見書」(全会一致)の1件だけだった。
◇京都市議会の与党3会派、議会への無断欠席が続いている無所属の小川裕樹議員=北区、2期目=に対し、5月定例議会最終本会議で、辞職勧告決議を行うことを決定。議員への辞職勧告は、京都市議会の歴史でも初めて。小川議員は、今年3月の2月定例議会最終本会議に出席して以降、自宅や事務所を閉鎖して、2カ月近く所在不明。4月に市議会の委員会に連続して無断欠席したため、小川議員が所属していた民主党京都府連と市議会会派の民主・都みらいが除名処分。
◇京都市議会の新しい副議長に久保省二氏(公明)の就任が内定。28日の市議会最終本会議で正式に選出。
◇福知山市の高日音彦助役、中村稔市長に辞表を提出、同日付で退職。正式表明。高日助役は府耕地課長、府立福知山高等技術専門校長などを経て、1994年6月に市助役就任。現在3期目の任期途中。
 高日氏は東京農大卒。1962年府庁に入り、耕地課長、府立福知山高等技術専門校長などを歴任し、94年に退職。同年6月に市助役に就任、3期目途中で市長選立候補のため辞職した。福知山市三俣。
◇京都府や滋賀県など近畿6府県の危機管理担当者が6月2日、鳥インフルエンザや新型肺炎(SARS)など府県域を超えた緊急事案に、円滑な連携で迅速に対応するため、、大阪市内のホテルで「近畿ブロック危機管理等連絡会議」を発足させる。各担当者間の連絡網を密にする「危機管理ホットライン」のほか、感染症など広域的な事案が発生した場合の連携体制などについて確認する。
◇京北町の町民有志の「京北町の合併を考える会」、合併の是非を問う住民投票条例の制定を求め、町選挙管理委員会に約1489人分の署名を提出。
◇政府、主権移譲後のイラクで活動する多国籍軍に自衛隊が参加する方向で本格的な検討を開始。復興支援任務なら参加可能と判断しており、国連安全保障理事会で議論されている多国籍軍の在り方を慎重に見極める方針。ただ政府は従来、多国籍軍参加は憲法が禁止する海外での武力行使や集団的自衛権行使に当たる恐れがあるとの見解をとっており、整合性に関し論議を呼びそうだ。
◇バグダッド南方約30キロのイラク中部マハムディヤ付近で日本人ジャーナリスト2人の乗った車両が襲撃されて爆発、炎上。負傷したイラク人運転手が親類を通じバグダッドの日本大使館に連絡。安否は不明だが、1人が死亡、1人が負傷したとの情報があるほか、2人とも死亡との情報。

5月27日

◇京都市が、西京区の国有地に計画している児童館と学童保育所の建設が府が行う国有地と私有地の境界確定作業の移管手続きが大幅に遅れ、無期限延期となっていることが判明。市は「土地の移管がいつ完了するのか分からないが、児童館建設は断念していない」と説明。
◇福知山市と三和、大江両町との合併の賛否を問う住民投票条例の制定を求めている夜久野町の住民グループ「住民投票を実現する会」、地方自治法の直接請求手続きに基づいて集めた2682人分の署名簿を町選管に提出。有権者数の64.87%にあたる。
◇坂口厚生労働相、国会議員の加入が任意だった一時期、未加入だったことを説明。
◇坂口厚生労働相、年金制度改革関連法案で現役世代の手取り年収の50%を確保するとした厚生年金の給付水準維持の対応策として「選択肢として税で賄うか、保険料で負担するか、あるいは年金積立金を使うかがあり得る」と説明。保険料の再引き上げについては「選択肢として、客観的にあり得るが、どれを政策として選ぶかは別だ」とも答弁。
◇経済財政諮問会議で示される「骨太の方針第4弾」の原案、国・地方財政の三位一体改革関連部分、判明。地方への税源移譲の額を明示しないほか、(1)地方交付税改革では安定的な交付税総額を確保する(2)税源移譲に結び付く補助金改革を進める−などの内容。
◇国・地方の税財政改革の在り方を考える「三位一体改革推進列島縦断シンポジウムin京都」、参加者からは「国から地方への負担の押し付けはやめるべきだ」などの意見が相次ぎ、真の地方自治実現に向けて、税源移譲や改革の全体像提示を国に求めるアピールを採択。シンポには約400人が参加。国際日本文化研究センターの川勝平太教授が基調講演。パネル討論では、山田啓二府知事が「本年度の改革は住民不在の改革だ」とあらためて批判し、「国と地方のどちらが行政責任をとれるか。住民に最も近く、責任を取れる地方に任せてほしい」と早期の税源移譲を求めた。このほか、参加した府内町村の首長から「このままでは来年度予算が組めない」「地方財政の実態が住民に伝わっていない」などの声も。
◇全国の町村議会議長会会長が参加する都道府県会長会会議、国・地方財政の「三位一体」改革で、地方交付税の財源保障機能の堅持などを求める特別決議。47都道府県の町村議長会会長ら約100人が出席。会議では、税源移譲を前提に国庫補助負担金の廃止などを求める「真の『三位一体の改革』の実現に関する特別決議」や、市町村合併で強制的な関与をしないよう国に求める「平成の大合併に関する特別決議」などを採択。
◇政府の地域再生本部、補助金の統合を柱とする「今後の地域再生推進の方向と戦略」を決定。小泉首相は、補助金改革を推進するよう指示。6月に実施する地域からの提案募集を基に、学校児童の放課後の活動支援に関する補助金統合など、具体的な制度改革を図る。

5月26日
◇京都府の「小規模企業おうえん融資」、25日までに707件、45億5700万円の融資が成立。市町村長によるセーフティネット保証適用認定が必要な「あんしん借換融資」の同時期の482件を大きく上回った。
◇京都府は6月から、就業やキャリアアップなどを望む女性を支援するため、府女性総合センターに女性の専門アドバイザーが助言を行う「チャレンジ相談ブース」を設置。
◇府中丹広域振興局、京都府の不法投棄等防止旬間(21日−30日)に合わせ、福知山市と三和、夜久野、大江町の関係機関と合同で、市内の現場2カ所をパトロール。
◇京北町商工会、京都商工会議所と合併しない意向。商工会と商工会議所は、設立の根拠法の違い、府レベルの連合組織が別々、これまで接触がない−などの事情が合併協議を阻む。一方で町商工会は、亀岡市や園部町など口丹波1市8町の商工会・会議所で連携を強める方針。
◇丹波、瑞穂、和知町の合併協議会、2回目の会合。合併の期日や新町の名称など重要案件について具体的な協議が始まり、合併の方式は3町を廃した上で新町をつくる新設(対等)合併に決定。合併の期日は、事務局が06年度の当初予算作成期間などを考慮し、05年4月から10月の間のできる限り早い時期を提案。「住民に説明する十分な時間はあるのか」、「協定項目が多く、現時点で期間を決めることは難しい」などの慎重論もあり、継続協議。新町の事務所の位置は、3町の役場の1カ所を本庁、他の2カ所を支所とすると提案。本庁の位置や新庁舎の建設なども含めて、継続協議に。また、新町の名称は公募する方針が示され、新町建設計画策定小委員会に選定基準の調整などを付託。
◇厚生労働省の「仕事と生活の調和に関する検討会議」、労働時間の短縮を進めるため、法定労働時間内でも企業が定めた所定労働時間を超えた場合、割増賃金の支払いを義務化する提言を盛り込んだ報告書案。パートや派遣などの場合、4時間、6時間勤務などがあり、新制度が導入されると、8時間に達しなくても割増賃金の支払い義務が生ずる。
◇総務相の諮問機関の地方財政審議会、国・地方財政の三位一体改革について、国から地方への税源移譲の早期実施、地方交付税の骨格堅持などを求める意見書を麻生総務相に提出。
◇有事関連7法案、井上有事法制担当相、石破防衛庁長官、川口外相が参院本会議で趣旨説明を行い審議入り。引き続き、参院イラク復興支援・有事法制特別委員会で提案理由説明。本会議では、細田博之官房長官が、緊急事態に対応するための首相の権限強化、官邸スタッフの体制強化について「政府として、必要な検討を真摯に行っていく」と述べ、早急に検討を進める考え。
◇鳥インフルエンザの感染防止策の強化を目的とした家畜伝染病予防法の改正案、参議院本会議で可決、成立。届け出義務違反に対する罰則強化、移動制限に協力した農家の経済的損失への補償、都道府県が家畜を処分する際に国が費用を半分負担する制度などが盛り込まれた。6月初めに公布し即日(罰則強化条項は20日後)施行。

5月25日
◇山田京都府知事、東京の三菱自動車本社を訪れ、岡崎会長兼社長と面談。岡崎会長は「本社そのものを京都に移転させる」と述べた。山田知事が「再建計画にある本社機能の京都への移転とは、全面移転か一部の移転なのか」と問うと、岡崎会長は「本社そのものを京都に移したい。京都工場は60年の歴史があり、お世話になれてうれしい」と応じ、「06年までのできるだけ早い時期」に右京区の京都工場に本社登記を移す意向。三菱自が本社移転の詳細な計画をまとめるのを待って、府は移転に伴う税制面での優遇や補助金措置を含む「全面的な支援」を打ち出す。
◇山田京都府知事、政府の経済財政諮問会議が05年度政府予算編成に向けた「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針第4弾)を決定するのを前に、大阪府など4府県の知事と共同で、国と地方財政の三位一体改革に対する提言をまとめ、諮問会議事務局に提出。骨太の方針第4弾は6月4日に閣議決定される予定。
 提言では、本年度予算編成を「国の歳出削減が優先された」と批判したうえ、05年度編成では@所得税から住民税への本格的な税源移譲、A廃止した国庫補助負担金のすべてを税源移譲の対象とする、B大都市圏の財政需要を踏まえ地方交付税制度による財源調整を行う−ことなどを求めた。
◇全国知事会など地方6団体、日本武道館で「地方財政危機突破総決起大会」を開会。早期の税源移譲の実現など国・地方財政の三位一体改革に地方の声を反映させるよう求めた。梶原会長は「04年度の改革は国庫補助負担金の削減を優先し、税源移譲は全く不十分。地方交付税も突然、大幅に削減された。国が勝手に財政再建を優先し、地方には一方的に負担を求めた。これでは三位一体ではなくバラバラ改革だ」と痛烈に批判。大会には自治体の首長や議員ら約7000人が参加。
◇京都総評青年部の20−33歳の看護師や公務員、会社員ら23人、「最低賃金」の引き上げを求め、6月に最低賃金に相当する月10万9000円で1カ月間の生活に挑戦する。独身者向けの「シングルコース」の参加者は、京都府内の最低賃金(時給677円)で毎日8時間、22日働いた月収約10万9000円で生活する。試算では、税金約2500円、社会保険料約4800円、年金約8000円、雇用保険約800円を払わねばならず、残りは約9万3000円。そこから家賃、水道光熱費、食費、電話代、交際費などを払う。全労連の要求額に相当する「カチトルコース」参加者は15万円で生活する。カップルや家族で挑戦する人は、世帯別人事院勧告標準生計費(2人世帯は月約12万2000円、3人は同19万7000円、4人は同23万3000円など)で暮らす。
◇京都市、市の廃棄物減量等推進審議会に対し、家庭ごみ収集への指定袋制導入と、クリーンセンターの事業ごみ搬入手数料の改定についての審議を諮問。同審議会は、今年11月に中間まとめ、来年7月に最終答申を公表。家庭ごみ収集への指定袋制導入は、資源ごみへの異物混入防止と収集作業の安全確保などが目的。全国の政令指定都市では、仙台市や千葉市など5都市が導入、うち北九州市は、袋の製造原価に処理費用を上乗せした収集有料化を実施。市は指定袋制の導入に際し、ごみ減量と費用負担の公平性、事業ごみへの指定袋同時導入の必要性なども指摘しており、同審議会が、今後新設する「指定袋制導入検討部会」で、袋の色や価格、基準などを含んだ具体的な在り方を議論する。また、クリーンセンターへの事業ごみ搬入手数料の改定では、他都市との処理料金の整合性や一般廃棄物と産業廃棄物の料金区別化などを、「ごみ処理手数料等検討部会」で審議する。
◇東京都教委、卒業式や入学式の君が代斉唱の際、生徒が起立しなかったのは教員の指導不足として、都立高8校の教員43人を指導、校長や教頭14人を厳重注意、注意処分とすることを決定。生徒の不起立で教員らが指導などを受けるのは極めて異例。教員が生徒に「立たなくていい」と話したなどとして、都立高4校と養護学校1校の教員と校長ら10人も厳重注意や注意処分に。さらに教員自身が起立しなかったなどとして、公立小中高校などの教員42人を減給、戒告の懲戒処分に。2月以降、学校創立記念行事を含め、同様の理由で既に201人が懲戒処分。
◇奥田日本経団連会長、報道各社との共同インタビュー、27日に開かれる定時総会で新設の「国の基本問題検討委員会」で討議する憲法や安全保障問題を含めた国のあり方に関連して「秋には何らかの提案を出したい」と、改憲を含め提案する考え。奥田会長は「日本を取り巻く情勢が変化する中で、従来のように政治は政治、経済は経済ではいけない」と政治に積極的に関与していく考えを表明。政治献金する際の判断基準とする政党の政策評価において「安全保障も、評価項目に入ってくる可能性が十分ある」との見解を示した。今年から関与を再開した政治献金については「献金を始める会員もあり効果はあった」と評価。献金額も「(04年は)前年を下回ることはない」と自信。
◇金子地域再生担当相、政府が補助金の統合などを柱に地域再生に取り組むことについて「(国・地方財政の三位一体改革では)3年間で4兆円の税源移譲だが、私たちは約20兆円の補助金全体の議論をしている。重ならない部分が大きい」と述べ、三位一体の改革と矛盾するとの批判を打ち消した。また「成果をきちんと考えてもらう」と述べ、統合した補助金などを活用した地方自治体の事業の成果を検証する仕組みを設ける意向。自民党も「地域再生資金」の創設を求めており、政府は補助金統合などで地方自治体の自主性を高める予算枠を確保する方針。しかし自治体からは、統合が削減されるべき補助金の温存につながるとの懸念も。


5月24日

◇京都府、04年度の府市町村長会議を開会。厳しい地方財政の下で迎える来年度当初予算案の編成作業を控え、府と市町村が知恵を出し合う「市町村財政健全化推進会議(仮称)」の設置を決定。府と39市町村の首長の連名で、三位一体改革の中身の早期公表と地方意見の反映、国庫補助負担金の削減と税源移譲、地方交付税改革−など、国と地方財政の「三位一体」改革に対するアピールも採択。会議には、山田知事をはじめ府三役や部局長、教育長らのほか、府内39市町村の首長らが出席。山田知事は、経済財政諮問会議による「骨太の方針2004」で三位一体改革の中身が近く示されることに触れ、「今回の会議を、府民の生活を守るために府内市町村が結束を固める第一歩としたい」と呼びかけ。
◇京都府の不法投棄等防止旬間、麻生副知事ら3人が、ヘリコプターに搭乗。ヘリコプターによるパトロール、府内の不法投棄現場などを視察。
◇京都府、鳥インフルエンザ感染が確認された浅田農産船井農場で、発酵消毒している鶏ふんの2回目のウイルス検査をした結果、異常はなかったと発表。府は最終処理案の検討を進めている。
◇福知山市長選、6月13日告示、20日投開票に、市体育協会長の松山正治氏が、無所属での立候補を表明。中村市長から後継指名を受けた高日音彦助役が立候補を予定しているほか、共産党などでつくる団体も候補者擁立の構えをみせており、02年7月の前回に続き、多極選となる可能性が高まっている。
 松山氏は東京農大卒。1960年、府教育庁に入り、福知山高教諭、府立海洋高校長、府教育次長などを歴任し、97年退職した。2001年から福知市山体育協会会長。福知山市川北。
◇園部、八木、日吉、美山の4町合併協議会の新市建設計画策定小委員会、四町長ら委員約10人が出席して開かれ、合併期日を「05年の10−12月以降のできるだけ早い時期」にすることで合意。正式には合併協議会で決定。合併期日のほか合併方式、新市の名称や市役所の位置など重要案件を協議。このほか、新市の名称は候補を公募し、協議会で決定、合併方式は4町を廃した上で新しい市を新設する「対等合併」とする−などを確認。市役所の位置は、継続協議。
◇三和町住民グループ「住民投票条例制定を求める三和町民ネットワーク」、福知山市と夜久野、大江両町との合併の賛否を問う、住民投票条例の制定を求めている署名簿を町選管に提出。グループが確認した署名者数は2223人で、有権者(3月2日現在、3753人)の59・2%を占めた。提出を受けた町選管は、署名の効力を審査し、署名簿の縦覧を経て署名者数を確定。有権者数の50分の1以上あれば、請求代表者の本請求で、町長が議会に意見書を添えて条例を提案する。
◇京都社会保険事務局、府内6カ所の社会保険事務所と2カ所の年金相談センターに03年度に相談や手続きに訪れた市民は、延べ17万9211人。前年度を7・7%上回った。このうち上京社会保険事務所は延べ2万7900人で、前年度比16・9%増。
◇東京都教育委員会、都内の公立学校の入学式で、君が代斉唱の際、校長の職務命令に従わず起立しなかったとして教職員の懲戒処分を決定。40人前後とみられる。近く人数などを公表。3月の卒業式では191人が戒告などの処分。都教委によると、起立しなかった教職員がいた学校数は、入学式では小学校2、中学校1、高校26、盲・ろう・養護学校3の計32校。卒業式の計102校より大幅に減。卒業式では小学校7、中学校3、高校82、盲・ろう・養護学校10だった。卒業式で処分を受けた教職員の一部は都人事委員会に不服申し立てをしている。
◇「地方自治経営学会」の研究大会、地方自治体の首長や議員、大学教授ら約700人が参加。三位一体改革により04年度予算で地方交付税の配分が実質12%減となったことなど国の対応に批判が相次ぐ。
◇共同通信社、全国緊急電話世論調査の結果。小泉首相が北朝鮮を再訪問、金総書記と会談したことを受け、日本人拉致問題について「解決したと思わない」と答えた人が83・9%。再訪朝について「評価する」は68・4%、02年9月の初訪朝直後の調査に比べ17・8ポイント低い。内閣支持率は54・9%で、前回調査に比べ1・1ポイントの微増。不支持率は31・5%で4・1ポイント減。安否不明者10人について再調査するとした日朝両政府の取り組み姿勢についても「十分だ」が8・6%に対し「十分だとは思わない」が88・0%。日朝会談について「評価しない」は30・7%。首相が日朝首脳会談で示した北朝鮮に対する食糧援助と医薬品の提供については「容認できる」が18・4%に対し、「容認できない」が約2倍の35・5%。

5月23日
◇京都市、本年度から電子地図を活用した「統合型地理情報システム」の構築に取り組みを開始。総合企画局など4局で構成するプロジェクトチームを設置し、近く本格的な作業。同システムは、用途指定や路線価格などの地理情報を盛り込んだ電子地図データを庁内ネットワークで共有。データ共有化により、新システムを立ち上げる際の経費を節約できるほか、これまで紙の地図に頼ってきた業務の効率化を進めることができる。例えば、不法投棄現場の確認(環境局)や地区ごとの福祉サービス受益者の把握(保健福祉局)などが容易になる。
◇亀岡市立病院の完成式、地元自治会役員や関係者ら約200人が参加。同病院は地上4階建て、一般病床100床で、総事業費59億3000万円。
◇岡田民主党代表、小泉純一郎首相の再訪朝について「重大な国益のかかった外交に、参院選や年金などの政局を持ち込んだための大失敗だ」とあらためて酷評。

5月22日
◇京都府、25日に建設資材の再資源化を目的に、2年前に施行された建設リサイクル法の効果を確認するため、府内の解体工事や建築工事の現場を一斉にパトロールし、無届け工事の防止や分別解体の徹底を図る。パトロールでは、府の係員が現場に立ち入り、届け出の確認や認証の掲示、分別解体の実施状況などを調査し、問題があればその場で改善を指導する。
◇宮津市と与謝郡3町(伊根、岩滝、加悦)の首長、法定合併協議会から野田川町の太田貴美町長が離脱を表明し、合併の枠組みが揺れている問題で、野田川町役場を訪れ、太田町長に現行の枠組みでの協議再開を要望。しかし、同町長の意志は固く、1市4町の枠組みでの合併は一段と難しい。1市3町の首長らは、府市町村行政改革委員会の助言と合併協委員らの意見などを引き合いに出し、1市4町での枠組みでもう一度考え直してほしいと太田町長を説得。これに対し、太田町長は「今の枠組みでは協議しない」とする主張を変えず、逆に合併協の解散を求める要望書を手渡す。会談後、「今の枠組みでは、各市町のまちづくりの理念が違い、スケールメリットも得られない。早く協議会を解散してもらいたい」と強調。
◇山本宣治の生誕115年記念講演会、山本宣治を顕彰する市民グループ「宇治山宣会」が毎年開催。今年は、山本宣治の二女の夫で元共同通信論説委員長の井出武三郎氏が「山宣の時代とわたしたちの時代」、大阪外国語大の藤目ゆき助教授(近現代史)が「山宣の時代の女性たち」をテーマに講演。
◇米国防総省スポークスマン、日朝首脳会談を受け、ジェンキンスさんが「統一軍事裁判法に基づいた脱走罪など『極めて重大な犯罪』の容疑に問われている。同法によって適切な手続きがとられるべきだ」との声明を発表。この方針は日本政府に伝達済みで、当面変更の予定はないと指摘。

5月21日
◇02年度国民年金保険料の平均の納付率、京都府は61・8%。市町村別のトップは伊根町で92・1%、もっとも低かったのは八幡市の58・0%。京都市は58・9%と府平均を下回り、下から3位。主な市では、宇治市が62・4%、亀岡市61・0%、城陽市65・1%、向日市59・1%、長岡京市66・0%、舞鶴市66・5%など。伊根町以外で80%を上回ったのは美山、丹後、久美浜の3町。
◇京都府、三菱自動車の本社機能移転表明に再建に向けた積極的に支援する方針。
◇民主党京都府連、シルクホールで総決起集会。党関係者や支持者約800人。
◇京都市、交通局が保有するリコール対象の三菱自動車製バス148台のハブ交換状況を公表。交換が終了は35台で、すべてのバスの作業が完了するのは9月上旬になる。また、市は現在、同社製バスの購入を見合わせていると声明。
◇京北町職員、合併後に京都市職員となる予定のため、町は、5月1日付で3月末までの予定で右京区役所に4人を派遣。区役所の4人は、支援課、市民税課、まちづくり推進課、保護課に配属、市役所の合併推進室などにも6人を派遣。さまざまな職務の研修。福祉部支援課に配属された職員が区内の民生児童委員に京北町の現状などを説明、町の魅力をPR。
◇滋賀県国松知事、「地域自治確立基本法」制定や自治に関する憲法条文の改正を提唱したことを受け、滋賀県職員による研究グループの初会合。知事は「今の地方分権は、国が地方に『渡す』発想。渡す側が最終判断するのでは対等関係と言えず、規範を根本的に変えなければならない」と強調。国との役割分担の中で自治体を優先するよう主張。また道州制について、「道州制ありきの議論からは距離を置く。市町村合併が進む中で、国の役割を何に限定するかを考えるべきで、道州制は最後の手法だ」と主張。
◇「第101回近畿市長会総会」、近畿2府4県の市長が一堂に会し、各府県の市長会が提案した税源移譲の実施など、国への要望事項を承認。
◇文科省と厚労省、幼稚園と保育所を一元化した新しい総合施設の在り方を協議するため、両省の審議会メンバーによる合同検討会議の初会合。
◇自民、公明両党は21日、国民年金保険料の追納特例法案に関して、国会議員に限って年金給付を停止できるとする規定を盛り込むかどうかの検討に入った。
◇坂口厚労相、今国会中に社会保険庁の組織改革案をまとめる考えを示す。具体的には(1)長官への民間人の登用(2)地方と中央の人事交流の拡大(3)個人情報データ管理の徹底(4)随意契約を原則廃止などを検討課題として挙げた。
◇社会保険庁、全国の社会保険事務局長に向け、職員が業務目的以外で個人情報の複製、閲覧することを禁止する通知。)
◇裁判員法、参院本会議で賛成多数で可決、成立。
◇ロシアのプーチン大統領、地球温暖化防止のための京都議定書批准を近く議会に提案する方針を初めて表明。提案されれば、与党が圧倒的多数を占める議会が批准するのは確実。