トヨタは社会的責任果たせ

まともな賃上げ、労働時間の短縮を

全国から1600人が集会やデモ

 「トヨタは社会的責任を果たせ」「3年連続1兆円のもうけを還元せよ、まともな賃上げ、労働時間の短縮を」「下請けいじめ、コストダウン強要をやめよ」「大気汚染患者の救済措置をとれ」──。日本経団連の会長企業として、史上空前の利益を上げながらも賃金抑制、下請けへのコストダウンの旗振り役を務めてきたトヨタ自動車を包囲する第26回トヨタ総行動が2月11日、愛知県豊田市を中心に取り組まれました。全労連や愛労連、トヨタ労働者などでつくる実行委員会が主催しました。
 決起集会には地元・愛知県をはじめ、埼玉や千葉、福岡など全国から1600人が結集。主催者あいさつした愛労連の羽根議長は「日本一の大もうけをしながら賃上げをしないトヨタに対し、全国の仲間の力も借りながら取り組んできたトヨタ総行動によって、今春闘では賃上げせざるをえない雰囲気を作ってきた。このことに確信を持ちながら、長時間過密労働・下請けいじめなどの是正、青年の雇用など、トヨタに社会的責任を果たさせるため力を合わせよう」と呼びかけました。
 全労連の熊谷金道議長は「トヨタは人間性尊重などと言っているが、3期連続1兆円の利益は長時間過密労働や低賃金の非正規労働者、下請けなどの犠牲によるものだ。トヨタをはじめとする大企業のボロもうけを労働者、国民全体に還元させる春闘として全労連も全力をあげる」と強調。  愛労連・榑松事務局長が10日にトヨタ本社とデンソーなど関連6社に対しておこなった要請行動の状況を報告。「今年こそ賃上げをおこなえ!」との要請に、昨年までと異なりどの会社も労組の賃上げ要求を否定しなかったことを強調しました。さらに要請団は、期間工を全国からかき集めている問題、公害裁判での和解の努力を図ること、インドのトヨタ工場での労働争議を解決することなどを強く求めました。世界労連とインド労働組合センター(CITU)から連帯のメッセージが届きました。

 集会後、参加者はトヨタ本社に向け横断幕やプラカードを手にデモ行進。トヨタ城下町で1600人が連なるデモ隊は街中の注目を集めました。コースは途中で、歩道橋や地下道を通って迂回させられるなど、参加者は「憲法が踏みにじられるまち」「自動車最優先のまち」に怒りをあらたにしながら、「下請いじめをやめよ」「期間工の待遇を改善せよ」「大気汚染患者の救済制度をつくれ」と力強いシュプレヒコールを唱和しました。
 名古屋駅前に建設中の「新トヨタビル」前や名鉄豊田駅、本社工場をはじめ四つの工場前での宣伝、豊田市内の住宅へのビラ配布なども行いました。

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