京都府・地方機関の再編から1月

いま府庁の職場では

 60年ぶりの組織再編から1か月がたちました。地方機関の統廃合、
1300項目に及ぶ本庁からの権限委譲、フラット化・グループ制
の実施etc。職場に落ち着きが戻ってくるのと同時に、問題点や
疑問点も見えてきました。

 統廃合したことが府民にとっては…
 
 「事前に十分調整してやってきたはずなのに、吸収合併された方のやり方が否定される。地域担当といっても、機関がなくなった地域のことは軽視されているような気がする」「保健所がなくなった所に出張して保健事業をしているが、普段使われていないので、水道の水が茶色かったりして、午後の仕事でも午前中から行って準備せざるを得ない。来庁者の見込みもたたないので、出張する人を多いめに配置」「総合案内コーナーの対応が不十分」「行政窓口相談システムって使われてるの?」という声も。
 まだ1か月しかたっていませんが、統廃合してほんとによかったのか、府民サービスの点から疑問の声がでています。
 出張がたいへん…

 「出張の往復時間が長く、現場での正味の時間が少ない」「自宅が福知山で、舞鶴の広域局まで出勤し、夜久野に出張するケースなど、福知山の公用車が利用できないのかと思う」「大雨による災害が発生したが、現場が遠くなって大変」「管内が100キロ超えているのに公所のある市町村でしかガソリンの給油ができないシステムになっている」「100円橋を利用したら時間が節約できるのに措置されない」など、所管区域が広域になっての苦労や改善への思いが。
 職員に過重な負担がかからないよう、思い切った改善が求められています。
 フラット化・グループ制は…

 「決裁ルートがあいまい。従来よりハンコが多くなっているところも多く、フラット化した意味がない」「庶務担当がいない。だれが課内の調整機能を担うのか、その都度、総務室で調整しているが、経験者に固定されそうで心配」「総括室の職員が顔見知りのところに仕事をもってくる。室長がイニシアとって判断すべき」「副室長が担当業務をもたない」「副室長は一担当者だと言われたり、グループをまとめろと言われたりでたいへん」「係長会議に担当係長と副室長がでると10数人になる」「2つの係が1つになり、決裁がグループリーダー1人に集中。起案がたまってしまう」という声がある一方、「決裁が早くなった」「自分たちでルールをつくって伝票決裁のチェック機能が働くよう工夫した」という報告も。
 「問題解決は現場からスタート」。職場の実態や業務内容に応じ、どうすれば職員の英知が結集できるか、それぞれの職場で進め方を議論し決めていくことが大切です。
  権限委譲はされたけど…

 「企画振興室の仕事がわかりにくい。どんな業務を担当するのか説明がない」「権限委譲で仕事は確実に増えているが、人は増えていない」「業務量が不確定なので、走りながら考えようと言っていたけど…考えてくれてるのだろうか」一方本庁では「広域局に権限委譲したが、市町村から直接電話がかかってきて対応に追われる」の声も。
 今回の組織再編・定数配置は、権限委譲や広域化、フラット化などがいっぺんに行われるもとでのスタート、予測できなかった課題も生まれてきます。たとえ、年度途中であっても、今の人員や組織体制が妥当かどうか常に検証し、柔軟に対応させる必要があります。
 財務端末が足りない

 「権限委譲で伝票入力しなければならなくなったけど、財務端末が少なすぎる」「それも個人の端末を遠慮しながら借りるのはお互いイヤだ」というのが共通した声。これは権限委譲に電算システムがついていっていないのが原因。共用の財務会計専用端末の増設が職場の切実な声です。
 ほかにも、「机とロッカーの間のスペースが60センチしかない」「建物のトイレ・洗面所が使えない」「執務室が傾いているため、気分が悪くなる職員がでた」「書類収納スペースが不足している」etc…、建て替えではないのでがまんしてほしいということですが、職場ではさまざまな問題が生じています。
 職場の声をあつめて要求に

 6月3日の府職労交渉では、職員長から「さまざまなケースの中には、きちんとリーダーシップを発揮すればうまくいく事例もたくさんあると考えている。6月中に各職場をさらに調査・点検し、直接の指導もふくめて当局責任を発揮していく」「本部との意見交換会も引き続きすすめたい。職場段階でも意見交換会をもつよう、指導していく」という回答を引き出しています。
 職場の声をあつめ、要求にし、一つひとつ改善を図らせましょう。所属長の説明責任の発揮を求めましょう。
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