患者や府民の願いに背をむけ、
職員を不安におとしいれる
「洛東病院の廃止」の一方的な
知事発言に強く抗議する

京都府職労が抗議声明 2004年9月15日

 @9月10日、山田京都府知事は定例記者会見で「本年度末での洛東病院の廃止」との発言をしました。「包括外部監査や府立病院あり方検討委員会の報告を尊重して」としていますが、「本年度末廃止」という極端な結論をだしたのは知事がはじめてです。

 A洛東病院は、「府立病院あり方検討委員会」も「リハビリなら洛東」と認めているように「総合的なリハビリテーション」を行っており、府民の期待は大きなものがあります。それだけに、京都府のリハビリテーション施策をどう展開していくかという、京都府が一番求められる役割については、何ら論議せず、現段階ではその保障がまったくありません。記者会見では、府立医大外来病棟の整備計画が明らかにされましたが、その整備には5年以上の年月が必要されることや、府立医大の現在のリハビリテーションが整形外科を中心に行っており、これまで洛東病院がおこなってき総合的なリハビリ医療を現在の府立医大に期待することは不可能といえます。このこと事態、今年度末で洛東病院を廃止することがいかに乱暴であるか明らかにしているといえます。知事は、「患者の理解を求めつつ今年度末をめどに廃止したい」としていますが、患者にどのように理解を求めるというのでしょうか。

 B洛東病院には、百数十名の職員が勤務しています。こうした職員を雇用不安におとしいれる「職場の廃止」という重大事態について、事前に職員や労働組合に何の説明もなく、記者会見で知事が一方的に「廃止」を表明するというような乱暴なやり方が許されるのでしょうか。労働者の雇用や勤務条件の根幹に関わることは、事前に職員や労働組合と十分に話し合いがもたれるべきではないでしょうか。

 C私たちはこれまで、たとえば「地方振興局等の再編」の問題でも、労使の立場の違いを相互に理解しあいながら何回も意見交換を行い、お互いの信頼関係を大切にして取り組んできました。「鳥インフルエンザ」の際も、労使が信頼関係のもとに「府民の安心・安全」のために全力で取り組んできました。
今回の知事の記者会見での一方的な発言は、こうした労使の信頼関係に冷水をあびせるものであり、断じて許されるものではありません。
私たちは、府民の医療への期待に応えるとともに労使の信頼関係を回復するためにも、知事が今回の発言を撤回するよう強くもとめるものです。
また、「府立病院あり方検討委員会」でも期待されている「京都府のリハビリテーション施策」について、そのあり方を総合的に議論する中で洛東病院の将来を位置づけることを強く求めるものです。同時に「府立洛東病院の廃止に反対し、整備・拡充と京都府のリハビリテーション施策の確立を求める」とりくみを一層前進させるものです。