組織再編から1か月・パートU 府民から見た京都府政は・・・

 60年ぶりの組織再編、特に地方機関の統廃合は、職員にとって所管区域が広域になって大変であると同時に、身近な地方機関がなくなった府民にとってどうなのか、京都府内各地で声をひろってみました。

現場の職員はがんばってるのに

府民から「京都府は遠くなった」

相談窓口がない…
 「制度融資のことを相談したくて、福知山の総合庁舎に行ったら窓口がなくなってた」、三和町の業者さんです。
 「前回は借りられたのに今回はダメと言われた。京都府に相談したくても相談窓口さえない」「舞鶴の局や本庁に電話しても、慇懃無礼なだけ。顔がみえないとだんだん官僚的な対応になっていくような気がする」。
 別の建設業者さんは、「保証協会の解釈に納得がいかず、本庁に電話したが、聞き置く、指導するで終わり。制度融資の手続きを金融機関と保証協会に丸投げし、京都府は完全に手をひいてしまった気がする」「だれも責任をもとうとしない。いったいどこの制度なのか…」広域化で身近な相談窓口がないのも問題だが、京都府の主体性がなくなってしまったことが問題という声がよせられました
戸惑いや不安…
 「保健所が園部に行ってしまって、多くの家族は戸惑いや将来への不安を感じています」と亀岡の精神保健福祉分野の関係者は訴えられます。
 「月1回の例会も場所を提供してもらえなくなった…」「以前は、緊急時に相談員さんがとんできてくれたけど…園部からは遠いし」「府の福祉サービスは手薄になってきているのでは」「ぜひもう一度府民の声、利用者の声を聞き直してほしい」
 切実な思いをぶつけられました。
しょっちゅう相談できたのに…
 「農作物が病気になったとか、土壌分析とかで、しょっちゅう問い合わせをしたり、現物をもって相談に行っていたけど」「巡回指導には来てもらっているが、農業改良普及センターが遠くなってやはり不便になった」「広域セミナーも遠くまで行かんならん」、農家や農協の営農指導員さんの声です。
気はあせるけど…
 「とにかく現場が遠くなった」「担当現場まで片道45キロ」という宮津土木の技師。「クマが錯誤捕獲されたなど住民から通報があっても臨機応変に対応できない」という広い管内を走りまわっている舞鶴の林務職員。共通しているのは、とにかく現場に行くまでの時間がかかって正味の時間が少なくならざるを得ないことへの悩み。通勤に1時間かけて、また自宅近辺の現場まで出張する例も多く、直行や直帰ができるようなシステムにならないかというのも切実な声です。
身近な京都府に
 再編後、まだ1か月半。評価するにはまだ時期が早いかもしれませんが、「広域になった」という事実は府民にとっても職員にとっても大きな変化であることは確かです。「出先機関が遠くなったこと=京都府が遠くなった」、取材してどこでも感じたことでした。それをうめるため、現場の職員は毎日奮闘していますが、「京都府が身近になった」と言ってもらえるような府政運営、府民の声に耳をかたむける姿勢が求められているのではないでしょうか。
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