効率化・スピードアップ化が至上命令

職員の現職死亡の報せ聞くたびに「ギクッ」

府職員Qさん

 組織のフラット化などで体と心がシンドイ

「府職員が現職死亡したというお知らせに接すると、正直なところ、ドキッとする」
 Qさんは本庁の職場で働く中堅職員です。職場ではいま、通常の業務に加えてプロジェクトの業務にも関わっていることもあり、退庁時間は平均すると9時や10時、日によっては11時頃になることもしばしばです。この間、風邪で体調を崩しましたが、1日休んだだけでマスクをして出勤しました。さすがにその数日間は「体がどうかなるかと思った。普段は何かと厳しい妻と子も心底、心配してくれた」と苦笑します。これまで様々な部局の仕事を経験してきたQさんですが、「ここ数年、組織のフラット化や電子決裁など、いろんな改革もあってか、どんどん体と心がしんどくなってきている」とも語ります。

 
人員削減で仕事量急増 来年も人減らすの?

 この間、ただでさえすぐれないQさんの気分がさらに重くなる話を小耳にはさみました。ここ数年、明らかにシマ内の仕事は増えているのに正規職員が増えないもとで、平成19年度での減員が検討されているとの内容です。Qさんは「いったい、どういう基準で誰が算定しているのか」と、怒りを通り越して「あきれてしまった」といいます。

 
土・日も含めてサービス残業

 そんなQさんですが、土日出勤も含めて、いわゆるサービス残業を行うことがあるといいます。多い月で50時間から60時間。「間違ってるよなぁ」と思いつつ、ついつい行ってしまう理由は、「ただでさえ超勤が多いので自粛してしまう」と語ります。直接の上司であるシマ長は、自身の業務も山ほど抱えていることもあって、担当職員一人ひとりのことまで目配りできず、ましてシマ内の職員間は、フラット化もあってバラバラにされている現状が背景にあるといいます。

 
トライアスロンとも言われる仕事のすすめ方

 「住民のための仕事をしたいから公務員になったので、これまで多少の無理はいとわないできた」と語るQさんですが、トライアスロンともジェットコースターとも称される今の府庁内の仕事の行われ方には、疑問を募らせています。とりわけ、5年間で1、500人を削減するという給与費プログラムが実行されたら、「とんでもないことになるのではないか」と話します。
 「悪魔のサイクルということばがあるが、民間はもっと厳しいから公務を突き詰めていけば、公務そのものの存在意義自体が失われてしまわないだろうか」

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