友禅染

 友禅染には「手描友禅」と「型友禅」があります。「手描友禅」は、江戸時代は元禄期に完成しました。 京都の東山・知恩院の門前町に住む扇絵師・宮崎友禅斎を祖としており、それまでの技術を集大成して「手描友禅」を完成させたといわれています。
 また、「型友禅」は化学染料と糊で色糊をつくり、「型紙」によって友禅模様を写し染める技法で、明治時代に廣瀬治助翁を中興の祖としています。「型友禅」によって量産が可能になり友禅染がいっきに普及していきました。
 京都市南区にある染め工場では、約10人が「型染め」に汗を流していました。 長さ約6.5メートル、幅約45センチの「型置き」におかれた真っ白な縮緬がおかれ、丁寧に1色いっしょくずつ模様・図案が染められていきます。
 縮緬の上に描かれる模様・図案は種類ごと・1色ずつ「型紙」が彫られています。「型彫り」も伝統技です。 色を重ねていくには「型紙」を同じ位置におかないと図案がずれてします、商品になりません。その手際の早さ、まさに職人技です。 「型紙」の上から化学染料と糊でつくった「染料」がへらなどで塗られていきます。できあがったものは「地染め」の工場に送られます。そこで蒸され水洗いされ、染色補正、刺繍、金加工などの工程を経て一反の生地が仕上がっていきます。