六角堂風景

 烏丸六角通りを東に入ると北側になにやら変わったお寺があります。屋根が六角のつくり、京都の人はこの寺を「六角さん」と呼んで親しんでいます。
 正式名称は、紫雲山頂法寺、通称六角堂です。この地は聖徳太子が汁浴に使った池の跡とも言われ、聖徳太子を祀った太子堂があります。池のほとりに小野妹子を始祖とする住持の寺坊があったことから「池坊」と呼ばれました。ここに朝夕仏前に花を供え、これが今日の華道のはじまりとされています。六角堂は、いけばな発祥の地です。
 また、親鸞上人が比叡山から六角堂に百日間、毎夜参籠りをされ、夢中のお告げによって浄土真宗を開いたといわれています。西国巡礼33所の第十八番札所でもあります。
 応仁の乱後、京の町と寺院が復興整備された際、六角堂は庶民信仰の場として再興されました。以後は「町堂」の性格を持つ寺院として、町構成の中心的役割を果してきました。
 寺内には、石仏があちこちにあります。子ども供養のお地蔵さんが、目にとまり、親鸞上人の立像もあります。
 周りはすっかり高層ビルが立ち並び、天の空間が狭くなりました。
     
   
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