千本通りお地蔵さま物語


釘抜き地蔵ゑんま堂千本釈迦堂


釘抜き地蔵
 京都・千本上立売の東側を上がると、小さな門があります。注意していないと通り過ぎるかもしれません。石像寺は、通称釘抜き地蔵ともいわれ、早朝から夜遅くまで病気回復、無病息災を願う西陣の人たちでにぎわいます。
 釘抜き地蔵はもともと苦抜き地蔵と言われていました。室町時代に京の豪商・紀伊国屋道林が突然両手が痛み、ここに願をかけたところ、両手から八寸釘が抜かれ痛みが取れ、その釘が朱に染まってお地蔵さんの前に置かれていたと言う伝説からきているそうです。
 弘法大師が唐から持ち帰った石で自ら造った地蔵菩薩が奉られ,地蔵堂の後には、重要文化財の石像弥陀三尊像が安置されています。
 境内には大きな釘抜きが置かれ、訪れる人たちは優しく触りその手を胸に当て「ご利益」を得ています。地蔵堂の壁にはぎっしりと釘抜きの絵馬がかけられ、お堂の周りを病気回復を願う人がお百度を踏みます。 毎月24日はお地蔵さんの縁日で、「無病息災」を願ってお汁粉が出されます(午後1時から2時30分頃まで)。
 
 千本通り上立売を西にわたり、少し上
がると千本ゑんま堂があります。引接寺(いんじょうじ)が正式名。平安時代に、この世と冥界のあいだを行き来した 小野 篁(おのの・たかむら<802〜852>) が、地獄の閻魔大王から行法を授かり、この地に閻魔堂を建てたのが始まりとされています。 
 入口は駐車場になっていますが、奥に進むと重要文化財の「紫式部供養塔・十重石塔」、京都市指定有形文化財の「梵鐘」、狩野光信作といわれる「冥土図」などがあります。
 5月には「ゑんま堂狂言」、8月には「お精霊迎え」が催されます。春になると十重石塔を包むように普賢象桜が咲き誇ります。
 
 千本通りを五辻通りまで下がり西に入ると千本釈迦堂に行き着きます。大報恩寺が正式名称。応仁の乱などで焼失した建物もありますが、一貫して守られてきた本堂は現存する最古の仙堂構で国宝、本堂には大観音菩薩などが安置されています。
 境内には、七福神の「布袋尊(ほうていそん)」の石像、釈迦堂をつくった棟梁・高次の妻、阿亀多福像が目を引きます。春には阿亀多福桜がすばらしい。







えんま堂供養池

えんま堂


えんま堂の紫式部供養塔


えんま堂恵比寿大黒天像
千本釈迦堂

千本釈迦堂・ぼけよけ像

千本釈迦堂・阿亀多福像

千本釈迦堂、七福神・布袋尊
千本釈迦堂の本堂。国宝です