指定管理者制度への移行、条例改正されたが…

プロパー職員の身分賃金・労働条件は?

問われている京都府の責任

 京都府の「公の施設」の指定管理者制度への移行について条例改正案が6月府議会で議決されました。条例改正は、現在管理委託している「公の施設」について指定管理者が行う業務を、@施設などの維持管理、A使用の承認、B施設の設置目的を達成するために必要な業務とし、「利用料金」については現行の使用料を上限とするというもの。
 指定管理者制度は、現に管理委託している施設では来年9月1日が移行期限となっており、それまでに各施設について、公募などにより管理者の決定へとすすんでいきます。
 
 大江病院では10万円の賃下げの職員も

 今回の条例改正で、指定管理者制度に移行することになった施設では、職員の身分や賃金・労働条件についての不安が広がっています。京都府内の事例では、今年の4月、大江病院が指定管理者制度に移行しました。中丹地域は、政府の地域医療の計算式で算出しても病床が不足している地域で、大江病院は従来から住民の命と健康を守る大きな役割を果たしていました。 ところが、昨年の9月末、町当局は指定管理者制度への移行を一方的に発表、職員を一旦解雇して再雇用する方針を打ち出しました。福知山市との1市3町の合併問題も絡みながらの突然の提起でした。
 4月から指定管理者制度に移行、京都自治労連や大江町職のたたかいの中で一時金や権利などの改悪には歯止めをかけましたが、職員の給与はそれまで行政職給料表で、一般行政職と同じ条件でしたが、医療職3表に切り替えられ準看で約10万円、正看で6万から7万円もの賃金が引き下げられました。
 一方、独立行政法人化され病院で働く賃金労働者の賃金水準もひどいものです。29歳の青年でそれまで手取りで14万円あった給与が、法人化で約11万円、ボーナスは3万円が年2回になりました。病気でも医者通いも躊躇する状態です。
 
 賃金・労働条件の切り下げや後退はノー

 こうした中で社会福祉事業団や公園公社、文化施設などの職員に不安が広がっています。
 社会福祉事業団職員から「退職不補充、非常勤職員の増加、職員の給与水準の見直し、給食部門などの外部委託、利用者の負担増など不安がいっぱい」との声が寄せられています。
 各部局では、これから指定管理者の募集要項づくりが始まります。京都府に対して、プロパー職員の雇用と労働条件を守る責任をはたすこと、「経営改善」を名目にした合理化、退職金の引き下げなど行わないよう要求していく必要があります。
 また、利用者へのサービス低下を許さないとりくみも大切になっています。
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