「公の施設」のあり方


小出しにするのではなく全体像を示せ

教育・文化・スポーツ施設関係者交流会に13施設34名が参加

  府職労は11月29日、「京都府の教育・文化・スポーツ施設関係者交流会」を開き、5支部13施設から34名が参加しました。本部から@府政再編をめぐる動きと指定管理者制度について、A全国的な状況と運動の教訓について問題提起を行った後、交流。とりくみの方向について確認しました。

 全国的にも特異な京都府の条例案

12月議会に提案される予想条例案は重大な問題があることが指摘されました。(注:その後12月2日に提出され府職労に提示あり)それは、@条例の名称や内容が、単なる「指定管理者の手続き」を定めることをこえ、「普通財産」も含めた府の施設全体をカバーするものとなっていることです。今回提案される条例は、名称が、「京都府の施設の管理等に関する条例」とされ、第2条で包括的に「府の施設は、・・これを効果的かつ効率的に管理し、又は活用するよう努めなければならない」と規定しています。「公の施設の指定管理者の指定等に関する条例」(兵庫県)、「千葉県公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」(千葉県)など他府県の条例は指定管理者の指定に関する手続きに限定しているのと較べ極めて異例と言うべきです。また、A自治法の趣旨を逸脱し、「効率」を追求する後退した内容となっています。地方自治法の趣旨は「公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認めるときは、・・・指定するものに・・管理を行わせることができる」というものであり、「効率的」という文言はうたわれていません。総務省通知があるとはいえ、兵庫県の条例は、「公の施設の管理の業務の適正かつ確実な実施」をうたい、「効率」の文言はありません。

 情報全体を示さない当局の姿勢も大いに問題

多くの職場から「説明はあったが所属長は何もわからず質問しても答えられない」「要望書を出したが何の説明もない」とか、「説明は一切ない」というところもありました。また、支部からは「情報を小出しにし、全体像を示さないので議論がしにくい。基本方針や工程表など全体像を明らかにすべき」という意見も出されました。

 あり方学習会や要求書を申し入れ

 職場のとりくみでは、「2回学習会をもった。植物園のあり方、考え方について何ができるか模索している。設置の目的をより効果的に達成するためにはどんな形態にするのがいいか議論している」(植物園分会)、「公共施設評価の経緯や既に委託している京都市の例などにもふれた要求書を出して回答待ちの状況」(図書館分会)などの発言がありました。

 職場要求の確立や利用者との懇談など共同の前進を

職場のとりくみの方向として、@各職場で要求書を早急につくり申し入れること、A「利用者は宝」の立場で、利用者の声、府民の力、府民の目線を大事に懇談会やアンケートなど府民との共同のとりくみの必要性が出されました。

 労使協議の設定を求めるとともに条例案への意見・質問の集中を

 今後のとりくみの方向として、@施設の管理のあり方は、財政健全化のとりくみの一環であり、勤務条件にもかかわる問題である。その立場から、地方機関の再編と同じように、労使協議の場を持たせ、基本的な方針、工程表など議論できる全体像を明らかにさせる、A条例案への評価や質問・要求事項をまとめ、当局への申し入れ等を行う、B情報については、ホームページの活用などで出来るだけ早く知らせる。そのためにも職場の情報を集中する、C職場交流会については持ち方も工夫し、今後も適宜開催することなどが確認されました。
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