府の全ての施設が指定管理者制度の対象に
手続き条例が12月議会で成立 |
12月府議会で指定管理者制度にかかわるいわゆる「手続き条例」が制定されました。条例は、京都府の「公の施設」に限定するのではなく、公用または公共用に供されていない京都府の施設である「普通財産」についても「指定管理者制度」に準じた取り扱いができるとしています。「条例の概要」について各職場での説明が始まっていますが、不十分な説明に関係職員の不安が広がっています。 全国的にも特異な京都府の条例案 府職労が11月29日に開催した「京都府の教育・文化・スポーツ施設関係者交流会」には、外郭団体のプロパー職員も含む34名の参加があり、さまざまな意見が出されました。まず、12月議会に提案される条例案には重大な問題があることが指摘されました。 第1に、条例の名称や内容が単なる「指定管理者制度の手続き」を定めることをこえ、「普通財産」も含めた府の施設全体をカバーするものとなっていることです。 今回提案される条例は、名称が、「京都府の施設の管理等に関する条例」とされ、第2条で包括的に「府の施設は、…これを効果的かつ効率的に管理し、又は活用するよう努めなければならない」と規定しています。「公の施設の指定管理者の指定等に関する条例」(兵庫県)、「千葉県公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」(千葉県)など他府県の条例は指定管理者の指定に関する手続きに限定しているのと比べ極めて異例というべきです。 現在、法人等が無償等で貸付を受けて担っている住民福祉の分野まで、民間企業に市場開放するものといえます。また、制度に関わる重要な事項について、「知事が必要と認める」とか「規則」に委ねるなど全体として不透明な条例になっています。 そして第2に、地方自治法の趣旨を逸脱し、「効率」を追求する内容となっていることです。地方自治法の趣旨は「公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認めるときは、…指定するものに…管理を行わせることができる」というものであり、「効率的」という文言はうたわれていません。総務省通知があるとはいえ、兵庫県の条例は、「公の施設の管理の業務の適正かつ確実な実施」をうたい、「効率」の文言はありません。 情報全体を示さない当局の姿勢も大いに問題 さらに、多くの職場から「説明はあったが所属長は何もわからず質問しても答えられない」「要望書を出したが何の説明もない」とか、「説明は一切ない」という声がだされました。また、支部からは「情報を小出しにし、全体像を示さないので議論がしにくい。基本方針やすすめ方など全体像を明らかにすべき」という意見も出されました。 職場のとりくみでは、「2回学習会をもった。植物園のあり方、考え方について何ができるか模索している。設置の目的をより効果的に達成するためにはどんな形態にするのがいいか議論している」(植物園分会)、「公共施設評価の経緯や既に委託している京都市の例などにもふれた要求書を出して回答待ちの状況」(図書館分会)などの発言がありました。 職場要求の確立や利用者との懇談など共同を 今後のとりくみの方向として、@施設の管理のあり方は、財政健全化のとりくみの一環であり、勤務条件にもかかわる問題。地方機関の再編と同じように、労使協議の場を持たせ、基本的な方針、タイムスケジュールなど議論できる全体像を明らかにさせる、A条例案への評価や質問・要求事項をまとめ、当局への申し入れ等を行う、B情報については、ホームページの活用などでできるだけ早く知らせる。そのためにも職場の情報を集中するC職場交流会については持ち方も工夫し、今後も適宜開催することなどが確認されました。 こうしたとりくみの中から、それぞれの施設の公共性と専門性を発展させるため、府民との共同のとりくみをめざすことが重要になっています。 |
手続き条例案(骨子) |