府立郷土資料館を直営施設として充実を

「公共施設評価調書」の撤回求め要求書

 京都府職労は、府立丹後郷土資料館、山城郷土資料館の「公共施設評価調書」の白紙撤回を求めるとともに、両資料館を直営施設として充実させることを求めて、京都府教育委員会委員長と府知事あての申入書・要求書を1月14日に提出しました。

  申入書・要求書提出までの経過

 昨年9月に京都府が事務事業評価とあわせて発表した「公共施設評価」の結果を受けて、新聞各紙は「丹後郷土資料館と山城郷土資料館については、施策目標への寄与度や効率性の点でC評価(期待した施設運営効果が上がっていない)がつけられた」などと報道。ところが両郷土資料館において、館長以下の職員全てが、この評価調書の記載内容どころか、こうした「自己評価」が行われたこと自体、一切知らされていませんでした。
 また、調書の各項目の記載内容が両館の実態を充分反映していないばかりか、「府立郷土資料館条例」が定めた設置目的、事業内容を踏まえたものともなっていません。例えば、単独で成果指標とするには不適当と考えられる入館者数のみを指標とし、「成果指標では表せない効果等」が全くの空欄とされているのです。
 さらに、調書には「新たな運営改善について、民間企業等の手法なども含めて検討し、その結果により方向性を出し、平成18年度から着手することとするため、来年度については(府立施設として)継続とする」と記されています。
 そもそも「京都府立郷土資料館条例」第1条に「郷土についての歴史資料、考古資料、民俗資料等の保存及び活用を図り、もつて府民の文化的向上に資するため、京都府立郷土資料館を次の表のとおり設置する」とあるとおり、両郷土資料館の設置目的は郷土資料の保存及び活用、それを通しての府民の文化的向上を図ることです。
したがって、本来は施設の設置目的や公共性を達成するために、利用者や市町村等と連携して両郷土資料館の充実を図ることが望まれます。当資料館職員にも知らせず、また、入館者数等の指標だけで評価した調書の内容を府が一方的に公表したことは許されるものではありません。

  京都府職労の主張のポイント

*両郷土資料館職員にも知らせず、また、入館者数等の指標だけで評価した調書の内容を府が一方的に公表したことは許されるものではない。調書を撤回するとともに、今後の評価のあり方を改善されたい。
*郷土資料館は、地域の寺社、自治会、個人所蔵の文化財を無償で預かり保存している。また廃棄されがちな民俗文化財も収集し、郷土の民俗文化の伝承にも大きな役割を果たしている。展示等普及活動、生涯学習活動はこうした文化財の保存、調査、研究事業を基礎に成りたっており、利潤・採算の追求にはなじまない。
*両資料館は実質的に博物館の業務を行っており、さらなる府民の要望に応えてより充実した活動ができるよう、社会教育施設として博物館法における「登録博物館」にすることを望む。
(申入書・要求書を掲載していますので、参考にご覧ください)

  府当局の回答の概要

 京都府教育委は「申し入れの趣旨は理解できる。両郷土資料館に関わる公共施設評価調書が即、指定管理者制度導入につながるわけではなく、現在、府立丹後郷土資料館、山城郷土資料館の府直営方式を見直すことは考えていない」と回答しています。
 京都府人事当局は「関係部局に伝える」と回答しています。(文責:京都府職労教育部会)
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