条例とあわせ協定内容にチェックを

サービスの質と賃金・労働条件確保へ

指定管理者制度、京都府は6月議会に設置条例の一部改正案提案
 
 現在、管理委託されている「公の施設」の指定管理者制度への移行が、全国で一斉に始まっています。既に2月・3月議会でも設置条例の一部改正が行われており、引き続き6月議会で提案されています。京都府も6月23日から開催される6月議会に設置条例の一部改正案が提案される模様です。
 条例(案)に対しては自治労連として14のチェックポイントと対置条例(案)を示し、それを武器に全国で取り組みが行われていますが、今後、重要になるのは協定内容です。
 特に指定管理料は、その後のサービスの内容、質、量とそこで働く労働者の賃金・労働条件を実質的に規定するもので、その削減を許さず、必要額を確保させていくことは最重点課題です。協定は管理者が指定され、自治体予算が確定した段階で締結されます。議員や受託団体とも連携をとり、当局交渉等を強めていくことが必要です。

 
        協定では何がどのように規定しているのか

 ここでは比較的よくできている神奈川県の知的障害者施設の事例をもとに、その具体的な中身を紹介します。まず協定書は、指定期間が10年ということで基本協定(10年)と年度協定(1年)があります。基本協定には協定期間、管理業務の内容、事業・人員配置・収支計画の作成、管理業務の一括再委託禁止、管理業務の履行における管理者の義務、物品類の使用・帰属、リスク分担(諸条件の変更等があった場合の負担責任)、守秘義務、個人情報の保護、情報公開、環境への配慮、利用料金の取扱い、管理経費の支払方法、管理業務の実績・実施報告書の提出、剰余金の返還、モニタリング(管理業務の実施状況を把握し、良好な状況を確保するために各業務の執行状況を随時確認(モニタリング)をする)、利用者サービス水準の向上等(第三者評価及びオンブズパーソン等の活用)、帳簿類等の提出要求、事故報告、指定取消等による損害賠償、原状回復、年度協定の締結、権利義務の譲渡等の禁止などが盛り込まれています。
 年度協定には、協定期間、事業計画、管理経費(年額と月別支払い内訳)、変更協定、疑義の取扱いが規定されています。この他、再々委託の禁止などを明記させていくことが必要です。モニタリング制度やリスク分担、あるいは適正な指定管理料を担保させる仕組みとして、客観的な基準、標準単価などをどう設定させていくのか、基礎的な研究が必要です。モデル協定(案)も検討します。
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